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宇都宮市、市内のごみ発電の電力だけで運行する次世代型路面電車(LRT)を2022年春に開業。全国で初めて(各紙)

2019-06-04 13:36:40

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  各紙の報道によると、宇都宮市はごみ発電で発電した電力で、次世代型路面電車(LRT)の運行を2022年3月に開業する。市と民間企業の共同出資で設立する新電力会社から、LRT運行会社が電力を購入する。LRTの電力を全量、再生可能エネルギー発電でまかなうのは、全国で初めて。

 

 日本経済新聞が伝えた。LRT向け電力を発電するのは、同市内のごみ焼却場「クリーンパーク茂原」。市内で集めたごみを燃やして出る熱をボイラーに供給し、生じた蒸気でタービンを回して発電する。24時間稼働で7500kWの出力。

 同市の試算によると、茂原のごみ発電の電力でLRTの運航を全面的に支えるほか、市内の約3割の公共施設の電力もカバーできるという。

 ゴミ発電は現在すでに稼働中で、発電した電力は東京電力に売電している。東電との売買契約は22年に終了するため、その後は、LRTへ供給する。LRT向けの第三セクターの電力会社を2020年度に新たに設置する。21年度の事業開始を目指す。

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 新電力会社は、市内の再エネ電力を確保するため、国の固定価格買取制度(FIT)の買い取り対象期限が切れる家庭用太陽光発電についても、買い取りを進める方針だ。供給電力量を増やし、LRTや公共施設だけではなく、市内の民間企業にもエネルギーの地産地消を呼びかけ、販売するという。

 新電力事業の収益は公共交通への電気自動車(EV)バスの導入や、マイカーからLRTに乗り換える乗り継ぎ拠点でのEVへの電力チャージ設備の設置など、低炭素化につながる街づくりに充当する。市の試算では、LRT開業直後で年間1000万円程度の利益を見込んでいる。

 宇都宮市は2017年度から新電力会社の検討を進めてきた。LRTの運行会社や電力、ガスなどエネルギー会社、地元金融機関などと検討を進め、18年度に事業の採算性を確認。CO2排出量の少ない街づくりを進める方針だ。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO45628680T00C19A6L60000?type=my#AAAUAgAAMA