HOME10.電力・エネルギー |チリ、石炭火力依存脱却へ第一歩。今後5年間で操業中の8基を閉鎖。2040年までに全基(28基)を閉鎖、再エネ発電中心に切り替え、2050年にカーボンニュートラル達成へ(RIEF) |

チリ、石炭火力依存脱却へ第一歩。今後5年間で操業中の8基を閉鎖。2040年までに全基(28基)を閉鎖、再エネ発電中心に切り替え、2050年にカーボンニュートラル達成へ(RIEF)

2019-06-10 08:24:01

Chile1キャプチャ

 

 チリ政府は、今後5年間で、現在操業中の石炭火力発電所8カ所を閉鎖することを公表した。閉鎖発電所は同国の全電力の2割分に相当する。2040年までに全石炭火力を閉鎖し、再生可能エネルギー電力中心のエネルギー政策に転換する。

 

 セバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)大統領が宣言した。チリでは現在、石炭火力発電を28基操業し、同国の全電力の4割をまかなっている。今回閉鎖する石炭火力火力の発電量は23000MW(23GW)分に相当する。

 

石炭火力閉鎖宣言をしたピネェラ大統領
石炭火力閉鎖宣言をしたピニェラ大統領

 

 チリは、エネルギー純輸入国で、隣国のアルゼンチンから天然ガスも輸入していた。しかし、過去10年は石炭火力発電依存を強め、天然ガス輸入が減少いしていた。しかし、パリ協定への対応に伴い、昨年、アルゼンチンとの間で新たに天然ガス輸入での協定を復活させ、石炭火力依存に終止符を打つ国家戦略に切り替えた。2050年にカーボンニュートラルを達成する目標だ。

 

 今回閉鎖対象となった石炭火力発電所は、同国中央部のTocopilla、Iquique、 Puchuncavi、南部のCoronelの各地で操業している。これらの4か所8基の石炭火力の操業を止めることで、CO2排出量は現在の年間3000万㌧から2024年までに400万㌧に削減できる計算という。

 

 8基の石炭火力の操業地は、閉鎖後の5年間、緊急時には再操業できるよう、「操業予備地(Operational Rserve)」として管理される。

 

 チリの再エネ転換政策は前任大統領のミシェル・バチェレ(Michelle Bachelet)氏が打ち出したもので、ピニェラ氏も踏襲している。ピニェラ氏は「今回発表したステップは、言葉での約束を実現に移す具体的かつ現実の方策だ」と強調している。

 

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