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経産省、大規模な太陽光・風力発電の固定価格買取制度(FIT)を廃止へ。2020年度に法改正目指す(各紙)

2019-06-13 13:01:12

FIT2キャプチャ

 

 各紙の報道によると、経済産業省は太陽光や風力発電等の再生可能エネルギー電力の固定価格買取制度(FIT)の一部を2020年度中に関連法を改正して終了する方針という。大規模な事業用の太陽光発電などについては競争入札制に移行する。政府は再エネ発電を今後の主力電源のひとつに位置付けているが、FIT廃止は再絵へ促進に逆行する恐れがある。

 

 日本経済新聞等が報道した。FITは民主党政権時代の2012年に導入された。再生エネ発電の電力を国が定めた固定価格ですべて買い取る仕組み。発電事業者は売電価格が決まっているので安定的に収益をあげることができ、市場参入事業者が増えた。しかし買取に必要な費用は電気料金に上乗せされるため、経産省は国民負担増を強調してきた。

 

 年間の買い取り費用は2019年度で約3.6兆円が見込まれている。このうち家庭や企業等の電力消費者に転嫁されるのは約2.4兆円。FIT廃止後は、50~100kW超の中・大規模の太陽光や風力の事業者は、新規に売電する場合、自ら販売先を見つけるか、電力卸市場で売ることになる。価格は取引先との交渉や市場の状況で変わる。

 

 今月中に経産省の有識者会議で改正案を示し、早ければ2020年の通常国会に関連法の改正案の提出を目指す。小規模の事業用太陽光や家庭用の太陽光では買い取りは続けるが、買い取りは全量でなく自家消費で余った分だけにする方針。バイオマス、地熱等の他の再エネ発電は従来通りの見通し。

 

 報道では、経産省は太陽光発電等の固定買取制度のメリットをなくす代わりに、卸市場で電力価格が急落し基準価格を下回るような緊急の場合は、国が基準価格との差額分を補填する仕組みを導入するという。この措置を受けられる事業者は基準価格に関する競争入札で選ぶ。

 

 入札に参加する事業者は自社の発電コストを踏まえた基準価格案で応札する。経産省はその価格が低い順に一定数の事業者を認定する。このため基準価格は落札した事業者ごとに違う価格になる見通しだ。入札は数カ月ごとなど定期的に実施する。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190613&ng=DGKKZO46002880S9A610C1MM8000

https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201906/CK2019061302000132.html