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静岡市と地元の鈴与商事、「卒FIT電源」を買取り、静岡市での地産地消の電力循環システム構築へ。 小中学校の温暖化対策電源等に充当(RIEF)

2019-07-26 21:41:37

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 静岡市と鈴与商事(静岡市)は、固定価格買取制度(FIT)の買取期間が満了する住宅用太陽光発電の余剰電力(卒FIT電源)を活用して、地域の小中学校や市有施設等に電力を供給する「自治体による卒FIT電源の利活用事業」を開始する。卒FIT電源をめぐっては電力各社による買い取り競争が起きているが、同電源を自治体主導で地域活用する事例は全国でも初めてだ。

 

 静岡市と鈴与商事は、2017年2月末に「静岡市 エネルギーの地産地消業務委託基本契約」を結んでいる。今回の卒FIT電源の活用はこの契約に基づく。鈴与が11月から、卒FIT電源を保有する地域の住宅から同電源を1kWh当たり10円で買い取る。

 

 同社は、電力小売り事業同電源のほか、同社が調達する再エネ電源、および岡市の清掃工場(沼上清掃工場、西ケ谷清掃工場)から発生する電力等を合わせて、市内の全小中学(80校)や静岡市役所庁舎を含むの市有施設(279件)に電力を供給する。

 

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 静岡市では、温暖化対策も念頭に置き、今年度から小中学校への空調設備(エアコン)の導入を進めている。その結果、小中学校での電力消費は2019年度に75万kWh増加する見込み。また日中の電力消費量の増加が予想され、環境負荷の低い新たな地産電源を確保する必要に迫られていた。

 

 市有施設の消費電力量は2018年度で1億3917万kWh。これまでは、その約半分を市の2清掃工場の余剰電力でまかない、残りは大規模電源から調達した。今後は地産の卒FIT電源で外部調達分をカバーすることになる。

 

 卒FIT等、地産電力での供給分は、平常時は需給調整のために活用し、非常時には防災用電力として活用する。地域で発電された電源で、地域の生活・暮らしが支えられることになる。卒FIT電源はCO2ゼロ電源で、かつ日中に発電力が高まることから、市内での地産地消の循環的活用に適している。

 

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