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米銀、ゴールドマンサックス、米国内で高まる人種差別問題の解消目指す企業向けのファンド立ち上げ。同社と同社従業員の共同寄付から1000万㌦投じる(RIEF)

2020-06-05 18:33:09

GS001キャプチャ

 

 米金融大手のゴールドマンサックス(GS)は人種差別解消を目指す企業を支援するファンド「Goldman Sachs Fund for Racial Equity」を立ち上げた。ファンドの立ち上げには、同社と同社従業員および元従業員らによる寄付金1000万㌦(約10億8000万円)がファンドに投じられた。白人警官による黒人暴行死を受けて全米で高まる人種差別への不満を受け、差別解消に取り組む企業を支援する。

 

 ファンドの投資対象企業は、人種差別への取り組みのほか、構造的な不平等、経済的不均衡等の解消に積極的な企業活動を支援することを目指すとしている。シードマネーとなるGS労使による「Goldman Sachs Gives」の資金は、これまでも世界の貧困層等への支援活動資金を寄付してきた。

 

 GS会長・CEOのDavid M. Solomon氏は「われわれは、今こそ、正義と平等な社会を作るために立ち上げるべきだ。今回、ミネソタ州ミネアポリスで犠牲になったGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏をはじめ、2月にケンタッキー州のルイスビルで警官に射殺されたBreonna Taylor氏、同じくジョージア州ブランズウィックで射殺されたAhmaud Arbery氏の3人の名誉にかけて、人種差別問題の解決に、われわれすべてが取り組まねばならない」とコメントしている。

 

 ファンドのシードマネーとなる「Goldman Sachs Gives」からの寄付は、GSの従業員の寄付額に応じて、GSが会社として基金に寄付する仕組み。従業員の寄付額が25㌦以下の場合、従業員の寄付額に対して会社は3倍の寄付をする手順になっているという。

 

 GSは新型コロナウイルス感染からの回復をサポートする3000万㌦の「COVID-19 Relief Fund」や中小企業支援の5億2500万㌦の支援を打ち出しており、今回の「差別解消ファンド」はこれらの「救済ファンド」に並ぶものと位置付けている。

 

 GSは米ウォールストリートの金融機関の中でも、収益至上主義で知られ、貧困層やNGO等から批判にさらされることが多い。

 https://www.goldmansachs.com/media-relations/press-releases/current/gs-fund-for-racial-equity.html