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世界の金融センターの「第7回グリーンファイナンス度ランキング(GGFI)」。首位はアムステルダム、2位チューリッヒ、東京は13位でアジアではトップ。英Z/Yenが公表(RIEF)

2021-05-04 20:33:17

Gloabal greenmarketrankingキャプチャ

 

  世界の国際金融市場のグリーンファイナンス度を評価する「第7回グローバル・グリーンファイナンス・インデックス(Global Green Finance Index :GGFI 7)」が発表された。トップはオランダのアムステルダム。次いで僅差でスイスのチューリッヒ、3位は英国ロンドンの順。東京は13位で、アジア勢の中では一応、トップ。1点差で北京が14位につけている。上位10位は欧州の都市が大半を占めるが、北米、アジアの都市の伸びが著しく、調査団体は今後1~2年の間に様相が様変わりする可能性を指摘している。

 

 GGFIの調査は、英ロンドンの金融シンクタンクZ/Yenが半年ごとに調査している。世界の78の金融センターを対象として、グローバルな金融専門家、金融実務家ら739人が140の評価指標を元にスコアを付ける手法をとっている。評価指標は、世界銀行、エコノミスト・インテリジェント・ユニット、OECD、国連等が提供する指標を活用している。

 

 各国際金融センターのグリーンファイナンス度合いは、金融センターの活動に占めるグリーンファイナンスの比重を示す「Depth」スコアと、市場で提供されるグリーンファイナンスプロダクト、サービスの品質を問う「Quality」スコアの両方で評価した。

 

GGFI7のランキング
GGFI7のランキング

 

 総合評価でトップとなったアムステルダムは、半年前の2020年10月のGGFI6調査では首位のチューリッヒに次いで2位だったが、今回はチューリッヒを抜いた。スコアは567点で、前回より6点マイナスだったが、チューリッヒはマイナス13点と下げ幅が大きかった。3位のロンドンはスコアに変動がなかったが、チューリッヒより1点少なかった。

 

 Z/Yenは別途、国際金融センターの競争力評価(GFCI)を2007年より実施している。トップはニューヨークで、2位はロンドン、3位上海の順。GFCIとGGFIを比較すると、ニューヨークは市場競争力ではトップだが、グリーン度では31位と出遅れている。ロンドンは、GFCIで2位、GGFIで3位ともっともバランスがとれている。GGFIトップのアムステルダムはGFCIでは28位、GGFI2位のチューリッヒはGFCIでは10位となっている。

 

 東京は前回の18位から10位へと躍進した。スコアも10点アップ。東京のGFCIの競争力ランクは7位で、一応、「中位」の水準で安定しているといえる。

 

 ESGファイナンスやサステナビリティファイナンス、さらにはグリーンボンド等の普及を反映して、今回の調査ではすべての地域でグリーンファイナンス活動への点数が上昇傾向を辿った。ランキングではグリーンファイナンスで先行する欧州勢が上位を独占した形だが、スコアの伸び率等をみると、北米、アジア・太平洋の金融センターの点数が大きく伸びているという。

 

 グリーンファイナンス活動への取り組みが各金融センターに広がっている状況は、上位10位までの点差が縮小していることからも見てとれる。前回はトップと10位の点差は51点あった。今回はこの点差が半分近い29点差に縮まっている。多くの金融センターがグリーンファイナンスに取り組んでいる結果とみられる。

https://www.zyen.com/publications/professional-articles/global-green-finance-index-7/