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「エクエーター原則Ⅲ」は 気候変動対策やコミュニティ対応において 力不足 国際環境NGOのバンクトラックが批判(FGW) 

2013-06-05 22:01:51

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banktrackimages国際的な環境NGOによって構成されるBankTrack(本部オランダ)は、先ごろ国際的なプロジェクトファイナンスを提供する国際金融機関がまとめた、「エクエーター原則」の新たな改定版「エクエーターⅢ」について、「従来の制度を控えめに改定したに過ぎない。プロジェクトが引き起こす温暖化推進やコミュニティの権利や利害を守るという点で不十分」との見解をまとめて公表した。

エクエーター原則は、日本の3メガバンクを含め、世界の主要な国際プロジェクトファイナンスのプレイヤー金融機関79行が署名している。大規模プロジェクトが環境や地域社会に引き起こす影響を、資金を提供する金融機関の視点でチェックし、開発と環境・社会性の確保を両立させるための自主的な制度として広がっている。

今回の改定は、これまでの原則では不十分と指摘されていた温暖化対応について一定の基準を設けたほか、プロジェクト融資と連動するコーポレート融資やブリッジローンなどにも原則の基準を適用すること、さらに原則適用のプロジェクト名を一定の条件付きで開示することなどを盛り込んだ。

これに対して、Banktrackは、これまでも原則作りの過程で、ステークホルダーの一員として金融機関側とミーティングを重ね、改定版に対する抜本的な取り組みを要請してきた。しかし改定版は、「(開発対象となる)地域コミュニティの権利擁護と、温暖化対応という重要な課題について、事態を打開するような内容になっていない。この程度の改革では同原則は今後、期待される主要な役割を果たすとは思えない」(ヨハン・フリンツ・コーディネーター)と批判している。

Banktrackのプレスリリースはhttp://financegreenwatch.org/?p=9518