HOME6. 外国金融機関 |テニスのフェデラー選手 インドネシアの熱帯林伐採問題で クレディスイスの融資厳格化支援を表明(FGW) |

テニスのフェデラー選手 インドネシアの熱帯林伐採問題で クレディスイスの融資厳格化支援を表明(FGW)

2015-05-30 12:47:25

federar20140306_546_380-157e3

 テニスのトッププレイヤーで現在、開かれている全仏オープンでも活躍中のロジャー・フェデラ-氏が、インドネシアの熱帯林伐採の抗議活動を支援する姿勢を示したことが話題となっている。

 

インドネシアのリアウ州では長年にわたって、ロイヤル・ゴールデン・イーグル・グループ(RGE)とアジア・パシフィック・リソーセズ・インターナショナル(APRIL)による熱帯林の大規模伐採が続けられている。これに対して、貴重な生態系維持と地元住民の生活確保のため、二社の開発推進に対する反対運動が展開されている。Creditsuisse無題

 

しかし、反対運動にもかかわらず、熱帯林伐採には歯止めがかかっていない。このため環境活動家たちは、二社に融資している金融機関に対して、融資先企業への働きかけを求める活動を展開し始めた。

 

このうち、スイスのグローバル金融機関であるクレディスイスは二社に対して5000億ユーロの融資をしている。そこでインドネシアの住民二人が同行に対して二社への融資を引き揚げるよう求めて、クレディスイスの株主総会参加のためスイスを訪れたという。indonesia0503riau

 

クレディスイスへのはたらきかけのため、二人は、スイス出身のプロテニスプレイヤーのフェデラー氏に手紙を書いた。フェデラー氏は「スイスの顔」として同銀行と長期パートナーシップ契約を結び、銀行もフェデラー氏が設立している「ロジャー・フェデラー基金」を援助し、恵まれない子供たちへの支援活動を応援する関係にある。indonesia3ICT0021m

 

手紙では、クレディスイスが結果的に熱帯林破壊を支援することになっていると、訴えたという。これに対して、フェデラー氏から返事が届いた。その概要は、「私はあなた方の関心を真剣に受け取っている。クレディスイスがこの問題を徹底的に分析して、最適な答えを出すことを、信じている」と、銀行が融資先に働きかけることを期待する内容だったという。

 

さらに、フェデラー氏は手紙で、「森林の持続可能性への影響を最小化し、相互理解を増進するために、皆さんとクレディスイスとの対話が継続するよう願っている」と指摘した。

 

株主総会で二人に対応したクレディスイスのチーフ・リスク・オフィサー(CRO)は、個人的な意見としながらも、今後、両社へのすべての取引を慎重に審査するとの約束をした。indonesiaappキャプチャ

 

RGE/APRILは単に熱帯林を伐採しているだけではない。不法伐採や、生態系の宝庫でもある泥炭地域の破壊、地域住民の人権侵害等の問題を引き起こし、内外の人権団体などの非難を浴びている。二社へ資金を供給しているのは、クレディスイスのほか、中国の複数の金融機関。

 

http://www.banktrack.org/show/news/roger_federer_encourages_rainforest_campaigners