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今年のグリーンボンド発行額 昨年から倍増の800億㌦~1000億㌦への期待も。スウェーデンのSEBの担当者が予測(RIEF)

2016-01-17 00:31:35

SEBキャプチャ

 

 今年のグリーンボンド発行額は昨年の倍の800億㌦~1000億㌦に達する、という強気の見通しが出た。スウェーデンのトップバンクSEBのサステナブル金融担当のヘッド、Christopher Flensborg氏の年頭の予測だ。

 

 昨年のグリーンボンド発行額は430億㌦(Environmental Finance誌調査)と、過去最高となった。ただ、年初の見通しでは1000億㌦とされていたので、その意味では伸び悩んだとの見方もできる。実際、Flensborg氏自身は、当初、700億㌦を目標として掲げていた。

 

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  同氏は、昨年の実績は市場見通しを大きく下回ったが、今年はグリーンインフラ需要が根強く、グリーンボンド市場での資金調達が先進国、途上国を問わず広がるとみている。またパリ合意の成果として、各国が本格的にAdaptation(適応)対策を推進する点も市場拡大要因とみている。

 

 グリーンボンド市場が倍増するためには、毎月の発行額は昨年のもっとも発行規模の多かった11月と同水準での発行が続かねばならない。同氏は「まさにそうした発行増が、本年は、もっとも起こり得る」と指摘した。

 

 Flensborg氏によると、特に今年顕著になるとみられるのが、中国、インドなどの新興国でのグリーンボンド発行増だ。中国でのグリーンボンド発行は昨年2回あった。インドではイエスバンクなど7回。両国とも政治主導で温暖化対策投資を推進する構えをみせている。

 

 また欧州では欧州投資銀行(EIB)やドイツ復興公庫(kWf)などの公的機関による発行が引き続き堅調に推移するほか、ドイツ、ベルギー、オーストリア等でも活発な発行が期待されるとみている。また米国では州や市による街ぐるみの省エネ推進等のために、レベニュー債の形でのグリーンボンド発行が増えそうだ。

 

 さらにアフリカでのグリーンボンド発行も、COP21の成果を目指した「準備に入っている」とみている。米欧を中心とした既存の発行体は引き続き発行額を上積みし、途上国・新興国での発行が多様化、増大するとの見方だ。

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