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中国の民間銀行、中国興業銀行(CIB)が初のグリーンボンド発行。15億㌦分。国内投資家向け。短期ものとしてグリーンABSもそろえる(RIEF)

2016-01-29 20:49:21

China Industrial Bankキャプチャ

 

 中国福建省福州市を拠点とする中国興業銀行(CIB)は、同行として初のグリーンボンドを発行した。中国での民間商業銀行のグリーンボンド発行は、上海浦東発展銀行に続いて二行目。CIBは短期のグリーンABSも発行した。

 

 CIBのグリーンボンドは期間3年、100億人民元(約15億㌦)。クーポンレートはゼロ。国内の投資家向けに販売された。中国の格付け機関のShanghai Brilliance Credit Rating (SBCR)からAAAのレーティングを受けた。販売主幹事には中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行、中国工商銀行の4つの国営銀行が参加し、中国勢だけで構成した。

 

 CIBはグリーンボンド発行の承認を中国人民銀行から受けていた。同ボンドで調達した資金は、人民銀行が示したグリーンボンド基準に準拠した5分野の902に及ぶグリーンプロジェクトに供給される。

 

 民間商業銀行であるCIBの中国市場でのグリーンボンド発行は、上海浦東発展銀行(SPDB) 発行の200億人民元(約35億㌦)に次ぐ。http://rief-jp.org/ct6/58110

 

 CIBが発行したグリーンABSは、最長でも期間192日(半年)で最短は10日という短期の債券。5つのトランシェに切り分け得られ、クーポンレートは0%から4.39%まで。格付けはChina Cheng Xin International Credit Ratingから、トランシェの3つがAAA、一つがA+,残りのもっとも期間の長い半年ものの場合は格付け無しだった。

 

 中国の債券取引は主に銀行間(インターバンク)取引で、短期物が中心。グリーンABSへの購入意欲は強く、二倍の応募があった。債券は29の借り手向けの42の融資ローンを原資産としている。いずれの事業も、人民銀行が定めるグリーンプロジェクトの基準に合致しているという。

 

 ただ、対象プロジェクトの中には、石炭火力発電所が「クリーン・コール」として位置づけられていたり、化石燃料使用のプロジェクトも入っており、パリ合意で示された地球の気温上昇を産業革命前以来、2℃未満に抑える方向とは、必ずしも合致しない側面も抱えているようだ。

 

 

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