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アジア開発銀行とアジアインフラ投資銀行(AIIB) 協調融資促進の覚書締結。一号案件はパキスタンでの高速道路延伸計画(RIEF)

2016-05-03 01:02:18

AIIBADBキャプチャ

 アジア開発銀行の中尾武彦総裁と、アジアインフラ開発銀行(AIIB)の金立群総裁は2日、ADBが年次総会を開催したドイツ・フランクフルトで、両機関の協力を維持する覚書(MOU)を締結、署名した。

 

 覚書に基づき、両機関はアジア地域でのインフラ整備事業に対して協調融資を提供する。すでに、道路や水資源管理等の分野での協調融資について交渉を進めているとしている。

http://rief-jp.org/ct6/60722

 

 両機関の最初の協調融資事業は、パキスタンのパンジャブ地域での高速道路の延伸計画で、両機関はそれぞれ1億㌦(約110億円)程度を融資する。6月に正式決定する。

 

 AIIBはADB以外の国際公的金融機関との協調行動も進めている。世界銀行とはカザフスタンでの環状道路の建設事業で提携、ADBのほか欧州復興開発銀行(EBRD)との複数連携で、タジキスタンでの事業融資も行う予定。

 

 ADB と AIIBの覚書は、協調融資のほか、政策対話や技術的レベルでの協力、付加価値増進、組織強化や比較優位、相互利益等をうたっている。

 

 中尾総裁は「アジアでの新しく強力なパートナーであるAIIBとの協力フレームワークを歓迎する。ADBは、AIIBの設立プロセスから深く関与してきた。両機関は、持続可能な成長、貧困の削減、そして気候変動への対応等で協力体制を強化していく」と、評価している。

 

 AIIBの金総裁も「ADBとのパートナーシップを強化することができてうれしい。アジアでの重要なインフラ建設へのファイナンス需要を解決しようとする両機関のこれまでの協力を拡大し、さらに関係を強化することを期待している」と述べた。

 

 MOUによると、両機関が協調融資等の対象とする分野は、エネルギー、運輸、通信、地域・農業の発展、水資源、都市開発、環境保護などとなっている。

 

 両機関は今後、昨年合意された国連の持続可能な発展目標(SDGs)や、COP21による「パリ協定」などの実施を促進するために共同で情報を構築したり、定期的なハイレベル協議等を推進していく。

http://www.adb.org/news/adb-aiib-sign-mou-strengthen-cooperation-sustainable-growth?utm_source=news&utm_medium=email&utm_campaign=alerts