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住友電工 モロッコでの集光型太陽光発電で1メガワットの実証プラント建設へ。モロッコ太陽エネルギー庁と契約締結(RIEF)

2016-05-13 16:39:39

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  住友電気工業は、モロッコ王国の太陽エネルギー庁(MASEN:Moroccan Agency for Solar ENergy)と共同で、太陽エネルギーの豊富なモロッコ中部のワルザザート(Ouarzazate)市に1MW規模の「集光型太陽光発電プラント(CSP)」を建設する契約を結んだ。

 

 アフリカ大陸北西部に立地するモロッコは、南部にサハラ砂漠があり、高い日射量を有することで知られる。同国は、この無尽蔵の太陽エネルギーを活用しようと、世界最大の集光型太陽熱発電(CSP)プラントの建設工事をすでに進めている。

http://rief-jp.org/ct6/58306

 

 今年初めには、ワルザザード太陽熱発電所(OSPS)の第一期工事分のNoor 1(発電容量160MW)が完成した。2020年までに2000MW(2GW)、2030年までに4500MW(4.5GW)へと拡大する計画だ。2020年の時点で国内の電力消費量の14%を太陽光発電で供給する計画だ。

 

 

 住友電工は2013年4月から、モロッコのカサブランカ郊外の敷地でCSPの実証緒実験を始め、2015年9月からワルザザートのMASENの研究施設内に同社の20kWの設備を設けて、実証実験を継続してきた。こうした実績の上に、さらに発電規模を1MWに拡大した発電プラントを建設し、運用の実証を行なうことになった。

 

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    契約によると、設備の運転開始は今年の11月の予定で、その後、2021年5月まで5年間の実証プロジェクトに取り組むという。CSPは、変換効率が極めて高い化合物半導体の発電素子を用い、太陽を正確に追尾しながらレンズで直達日射光を集め発電する仕組み。変換効率は一般的な結晶シリコン太陽電池に比べて約2倍とされる。

 

 同社は今回、モロッコでの1MWプラント用に、CSPでは世界トップレベルとなる、厚み約120mm、重量約8kgの薄型軽量モジュールを開発した。薄型で軽量なため、輸送時のモジュール積載効率性の向上のほか、現地での設置作業も効率性の向上が見込める。また、太陽を追尾する架台に搭載する数もふやすことが出来る。

 

 今回の5年間のプロジェクトを通じて発電量の評価やシステムの品質分析を行なうとともに、砂漠地帯に特有の気候の変化や砂塵の影響を受けずに安定した発電ができる方法の確立を目指す、としている。

 

 第一期のNoor1の建設費用は7億9800万ユーロ(8億9000万㌦)で、設備整備はサウジアラビアのAcwa PowerとスペインのAcciona SA Sener SAによって推進されてきた。プロジェクト全体では80億ユーロ(89億㌦=1兆700億円)の規模となる。資金は世界銀行のほかクリーン技術ファンド、アフリカ開発銀行、欧州投資銀行、ドイツの復興開発金庫(KfW)、フランス開発庁、欧州連合(EU)、ドイツ環境省などが提供する。

http://www.sei.co.jp/company/press/2016/05/prs034.html