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アジアインフラ投資銀行(AIIB) バングラデシュの送電線事業への単独融資を含め、4件の第一号融資を発表。総額5億㌦(各紙)

2016-06-26 00:11:47

AIIB6キャプチャ

 

 中国主導の国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」が25日、初の年次総会を北京で開いた。第一号融資案件として、バングラデシュの送電事業への単独融資をはじめ、すでに公表されているアジア開発銀行とのパキスタン向け協調融資など合計4件5億㌦分を発表した。

 

 AIIBはすでにアジア開発銀行との間で、パキスタンの高速道路建設計画に1億㌦を協調融資として融資すること公表している。http://rief-jp.org/ct6/62135?ctid=75

 

 今回正式に公表された第一号案件は、このアジア開銀との協力案件のほか、世界銀行とのインドネシアの貧困地区再開発事業(2億1650万㌦)、欧州復興開発銀行とのタジキスタンでの道路計画事業(2750万㌦)の3件の協調融資案件と、単独事業としてバングラデシュの送電線敷設や地中埋設事業(1億6500万㌦)の4件、総額5億900万㌦。

AIIB5キャプチャ

 

 AIIBの金立群総裁は、総会で「世界銀行やADBと協力し、質の高いインフラ投資をサポートしていく」と述べた。総会には創設メンバーの57か国の代表が集まった。

 

 第一号案件は、既存の国際金融機関との協調融資が中心となった。これは設立当初、国際公的金融の秩序を混乱させるのでは、との米日などから懸念が出たことに配慮した形でもある。このうち、世銀との案件は難航し、5月下旬にAIIB職員がインドネシアに飛んで土壇場まで調整して仕上げたとされる。

 

 また、対象事業の種類も、当初は道路と送電線の2事業だけだったが、世銀との都市開発事業を加えて多様性を一応、確保した。ただ、インド向けの送電線整備事業も島嶼は候補にあったようだが、途中で中断となり、逆にインドとライバル関係にあるパキスタンの事業が残るなど、微妙に政治色が漂う事例もある。

 

 総会で金総裁は、新たに24カ国が参加の意向を伝えていることも明らかにしたうえで、9月末までに加盟を申請すれば来年初めには認める意向も示した。参加を見送って様子見の米国と日本を意識したものとみられる。