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インド輸出入銀行(Exim) インド企業発行のグリーンボンドの外為リスクを代行ヘッジへ。「ドル建て発行・ルピー建て投資」がし易いように。投資家向けには認証付の重要性を強調(RIEF)

2016-07-04 00:50:21

indiaキャプチャ

 

 インドのインド輸出入銀行(Exim)は同国企業等がグリーンボンドを発行する際の通貨リスクを、Eximが代わりにヘッジするサービスを提供する。

 

 同行の副代表のDavid Rasquinha氏によると、インド企業がドル建てなど外貨建てグリーンボンドを発行 する場合、インドルピーとの為替変動リスクについてEximが発行体に代わってリスクをとるという。

 

 インドの企業はムディ政権の政策もあって、太陽光発電等の再生可能エネルギー投資意欲が急速に高まっており、その資金調達手段としてグリーンボンドを重視している。ただ、インド企業にとってルピーの為替リスクは大きい。

 

 インドでは、国内投資市場が十分に育っていないほか、企業の信用度が相対的に低いことから、外為リスクが高く、グリーンボンドを発行しても海外投資家の評価が高まらない懸念がある。中でも、為替リスクが大きなネックになっている。

 

 Rasquinha氏によると、Eximの資産は170億㌦で政府機関であることから、十分に対応可能としている。むしろ、長期の貿易保険等を提供することから、長期のドル建て債券を保持する需要が大きいとしている。為替リスクを代行する対象には、ラベル付きのグリーンボンドと、通常の社債も含める。

 

 Eximは政府機関としてAAAの格付けを得ていることから、為替ヘッジコストも、発行主体の企業よりも低く抑えることができるため、グリーンボンド発行体の資本コストは、12%から8%に削減が可能になる。

 

 Rasquinha氏は「15年間に及ぶ通貨変動リスクをカバーするのは民間ではできない。しかし、われわれにはそれができる。グリーンボンド発行体の外為リスクをゼロにすることができるのだ」と説明している。

 

 Eximは昨年春に自ら、5億㌦のドル建てグリーンボンドを発行している。その経験から、ボンド発行体は、Climate Bonds Initiative(CBI)などのラベル認証を得るべきだと指摘している。投資家の信頼を得ることができるため、発行価格等の条件設定に有利になるためとしている。

 

 Exim発行のグリーンボンドは、ラベル認証を得たことから、投資家はグリーン投資を好むグリーン投資家だけでなく、通常の年金等の投資家に評価され、従来よりも2~3べーシスポイント有利な条件で、一般投資家に販売できたという。

 

 ラベル認証によって、グリーン投資家の購買理由のうち30%はラベルがあることだ、と評価されたことも指摘し、民間投資家のグリーンボンド発行に際しての認証の重要性を強調している。

 

 またExim自体も年内に新たにグリーンボンドを発行する意向を示している。

 

http://www.eximbankindia.in/