国連緑の気候基金(Green Climate Fund) 2016年の新規支援事業9件を承認。総額2億5600万㌦(RIEF)
2016-07-11 09:49:36
国連のGreen Climate Fund(GCF:緑の気候基金)はこのほど開いた第13回理事会で、2016年の支援事業として9事業、総額2億5600万㌦を資金供給を行うことを承認した。
承認された9つの支援事業は、アフリカ2件、中南米2件、アジア2件、中央アジア2件、太平洋1件という形で、地球全体をカバーしている。
対象事業はいずれも世界銀行や国際金融機関などとの協調投融資の形。GDFが参加することで、資金面でのレバレッジが効く格好となる。理事会は、今年の投融資額の目標を25億㌦としており、さらに新規の応募を呼び掛けている。
新規融資の9件は次の通り。
①エルサルバドルでの中小企業によるエネルギー効率化投資への支援、2170万㌦(米州開発銀行と協調融資)
②アルメニアでのエネルギー効率化建築物のリスク権限とスケールアップ投資に2000万㌦(国連開発計画=UNDP=と協調)
③ガンビアでの大規模環境システムベースの適応策事業への投資2050万㌦(国連環境計画=UNEP=と協調)
④マリでのサブ・サハラ・アフリカ地区の気候変動強靭化対策に資する水資源とエネルギー関連投資に2280万㌦(世界銀行と協調)
⑤ベトナムでの気候変動の影響を受ける沿岸地域のコミュニティへの適応対策2950万㌦(UNDPと協調)
⑥タジキスタンとウズベキスタンのアラル海地域で世界銀行が実施している気候変動適応策・回避策事業への支援に1900万㌦
⑦ツバルでの沿岸地域の適応策事業に3600万㌦(UNDP協調)
⑧スリランカでの乾燥地域での小規模農家の気候変化や異常気象現象に対する耐性を強化するために3810万㌦(UNDPと協調)
⑨チリのTarapacá 地域での気候変動対策と太陽光エネルギー開発計画に4900万㌦(CAFとの協調)
GCFの共同議長のEwen McDonald氏(オーストラリア)は、「今回の決定で、われわれは今年の活動の半分を確定したといえる。戦略計画に基づいて主要な政策ギャップは確実に埋められつつある」と手応えを強調した。
また同理事会では、各途上国からの事業提案を促進するため、暫定的な「リスク・投資ガイドライン」の採択も決めた。同ガイドラインに基づき、より高いレバレッジレシオとより高い影響の広がりが可能な提案を促すことができると見込まれている。
さらに、途上国が適応策、回避策の立案を支援するために、別途2000万㌦の資金を拠出することも決めた。