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ノルウェーの生保大手KLP 投資除外企業36社を指定。北海道と沖縄の2電力も含む。日本企業の累計は東電、日本たばこなど7社に(RIEF)

2016-07-15 22:52:06

 

 ノルウェーの生命保険大手KLPは、責任投資の対象から、北海道電力、沖縄電力など日本の企業を含む、36社を新たに投資対象から除外した。この結果、KLPが「投資不適格」と判断した日本企業は、すでに対象外の東京電力などを含めて7社となった。

 KLPキャプチャ

 KLP(Kommunal Landspensjonskasse)は投資対象外とする業種に、地球温暖化を加速する石炭採掘・石炭火力関連、たばこ、汚職、武器輸出、人権問題、環境破壊などを選んでいる。ESG(環境、社会、ガバナンス)での課題を投資判断に組み込んでいる。

 

 こうしたクライテリアに基づき今回、投資除外対象になった36社のうち、31社は石炭関連企業、2社は汚職関連(中国のZTE、ブラジルのペトロブラス)、その他では人権(San Leon Energy、アイルランド)、武器関連(ST Engineering Financial、シンガポール)、たばこ(HM Sampoerna、インドネシア)の各社が除外された。

 

 また2013年6月に西サハラ沿岸での事業活動で倫理違反で投資除外されたフランスの石油会社トタルは、同地域での石油開発事業を停止したことから、投資除外を解除された。

 

 今回は石炭関連の除外企業として北海道電力と沖縄電力の日本企業2社が入った。これで、日本企業はこれまでに除外されている東京電力、日本たばこ、電源開発、北陸電力、四国電力の各社と合わせて、7社が投資不適格の「烙印」を押された形となった。

 

 東電の場合、2011年3月の福島第一原発事故への対応を理由として2013年に除外されている。事前の対策がしっかりしておれば福島事故は防げたという判断と、事故後も汚染水の漏洩を再三繰り返すなどのコントロール能力の無さなどを理由としている。ガバナンス能力の欠如ということのようだ。http://rief-jp.org/new/38844

 

 KLPグループ全体の総資産は5530億ノルウェークローネ(約7兆円)で、今年第一四半期の利益は30億クローネ。KLPは公的年金基金の管理も行っており、総資産の4645億クローネのうち、4191億クローネは、公的年金の保険債務とリンクしている。

 

 KLPが現在、投資除外対象としている企業数は159社。このうち、73社は石炭採掘・石炭火力関連、25社はたばこ事業、23社は武器事業、21社は環境破壊、3社は汚職、7社は企業倫理違反、7社は人権違反などとなっている。

 

 日本企業以外での主な投資除外企業には、米ウォルマート(労働争議や人権問題)、米リオ・ティント(鉱山廃棄物処理での重金属汚染)、中国鉄道企業(汚職)、英グレンコア(人権問題)、オランダのエアバス(原発関連)、米ボーイング(武器関連)、韓国ポス子(児童労働)などが含まれている。

http://english.klp.no/about-klp/press-room/36-new-companies-excluded-1-reincluded-1.34195