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中国などBRICSの5か国設立のNDB(通称、BRICSバンク)が初のグリーンボンド発行。まず30億人民元(RIEF)

2016-07-19 10:13:56

NDB2キャプチャ

 

 中国主導のアジアインフラ開発銀行(AIIB)と並行する形で、BRICS5か国が設立したNew Development Bank(NDB:通称、BRICSバンク)が初のグリーンボンドを発行する。発行額は30億人民元(約4億5000万㌦)。NDBは調達資金をBRICS各国のインフラ整備や持続可能性(Sustainablility)投資等に充当する。

 

  このほど発行条件を決めた。NDBは中国のほか、ブラジル、インド、ロシア、南アフリカの各国が共同で設立、再生可能エネルギーなどグリーン投資をファイナンス面から促進することを掲げている。

 

 NDBは今年4月、最初の融資案件として、出資国のうち4か国4件のグリーンエネルギー事業へ総額8億1100万㌦の融資を決定した。第一弾の融資は再生可能エネルギー2.57GWの開発に充当される。また資金調達の一環として100億人民元のグリーンボンドの発行も打ち出していた。

http://rief-jp.org/ct6/60680

 

 今回の発行額は人民元建てで30億人民元のため、今後、ドル建てなどの追加発行が見込まれる。グリーンボンドの発行期間は5年、中国国内インターバンクの債券市場で売却される予定。

 

 NDBのグリーンボンドは中国人民銀行(PBOC)が昨年12月に制定したグリーンボンド原則に準拠した初の国際公的金融機関のボンドとなる。PBOCは今月初めにNDBの発行に承認を与えていた。また基準への合致についてはEYが認証している。

 

 NDBは先週、内外の投資家を集めた会合を開いてグリーンボンド発行を伝えた。会合には40以上の投資家が参加したという。日本の金融機関等が参加したかどうかは不明。

 

 CFOのLeslie Maasdorp氏は「NDBはグリーンボンド発行でグローバルな資本市場へのアクセスを高め、国際的な格付けの取得も目指している」と語ったという。

 

 今回のグリーンボンドの引き受け主幹事は、中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、中国開発銀行の4大国営銀行のほか、HSBC(中国)、スタンダード・チャータード銀行(同)がそれぞれ就いた。

 

 NDBは本部を上海に置く。中国主導のAIIBとは異なり、NDBの資本金は、BRICSの5か国が100億㌦ずつ均等出資している。このため、BRICS5か国の銀行における権限は対等になっている。年間の融資額は最高340億㌦を上限としている。

http://ndbbrics.org/