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オーストラリア・ビクトリア州政府 初の「国債」グリーンボンド発行。3億豪ドル。省エネビルの改修、再生可能エネルギー投資などに充当(RIEF)

2016-07-21 23:57:51

victoriaキャプチャ

 オーストラリアのビクトリア州政府は、初のグリーンボンドを発行する。これまで都市によるグリーンボンド発行はあったが、州政府による発行はグローバル市場では初めて。国債と同格のトリプルAの格付けで、オーストラリアドル建て3億㌦(約2億2500万米㌦)。

 

 グリーンボンドの発行主体は同州の中央金融機関であるTreasury Corporation of Victoria (TCV)。英非営利機関でグリーンボンド発行を促進しているClimate Bonds Initiative(CBI)の認証を得ており、CBIは「世界で最初の政府発行グリーンボンド」と位置付けている。

 

  同ボンドはビクトリア州政府の保証付きで、期間5年、年利率1.75%。ボンドの調達資金は、TCVが定めた「グリーンボンドフレームワーク」の対象となる①省エネビルのアップグレード②低炭素輸送機関インフラ③太陽光と風力の再生可能エネルギー発電④エネルギー効率的な水資源インフラ、などに充当される。

 

 それぞれの対象事業は、CBIが定めるセクターごとのクライテリアに適合したものとする。事業認証は、独立系評価機関のDNV GLが担当し、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が単独でアレンジャーと主幹事を引き受けた。

 

 発行するボンドは、すでにオーストラリアの年金基金や保険会社などの17の機関投資家が購入契約を結んだという。投資家の中にはグリーン投資や社会的責任投資(SRI)投資家も含まれているという。

 

 発行体のTCVの責任者であるTim Pallas氏は「ビクトリア州政府は、CBIの認証付グリーンボンドで国をリードすることを誇りに思う。発行したボンドに対しては、国内だけでなく、世界中から強い投資意欲が示されている」と手応えを語っている。

 

 オーストラリアでは2014年に Stockland Trust Managementが3億ユーロ(3億8000万㌦)の最初のグリーンボンドを発行。TCVのボンドは今年の発行としては7本目となる。グローバル市場での発行規模は全体の1.5%と少ないが、今回の国債クラスの発行や、銀行、企業など多様な発行が特徴になっている。

 

 CBIのCEOのSean Kidney氏は「 ビクトリア州政府は今回のグリーンボンド発行で、国内だけでなく国際的にも、グリーンファイナンスのリーダーとなった。他の発行体や投資家にとって、気候変動対策やグリーンインフラを整備する上でグリーンボンドの活用が有効であることを証明した」と評価している。

https://www.climatebonds.net/2016/07/victoria-issues-world-first-government-backed-green-bond-aud-300m-usd-225m-climate-bonds