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ドイツ銀行 石炭関連事業への新規投融資を停止。米国の石炭専門チームは事実上解散。既存の投融資は維持(RIEF)

2016-07-25 10:02:41

deutschebankキャプチャ

 

 ドイツ銀行が石炭関連産業への新規投融資を停止する。同行ニューヨークの金属・鉱山投資チームの複数のシニアスタッフがこのほど銀行を退任し、後任を補充しないことを明らかにした。同時に銀行全体でも石炭関連投融資を縮小する方針を打ち出した。

 

 ドイツ銀行ニューヨークの金属・鉱山投資チームはアパラチア山脈の山頂除去(Mountaintop Removal)による石炭開発事業に長年、投融資してきた。しかし、オバマ大統領の石炭火力発電規制の動きと、環境NGOによる批判に晒され、このほど同チームを支える6人のシニアスタッフが銀行を退任した。

 

 事実上、チームの解散ということになる。石炭関連事業への新規融資を停止し、当面は既存の投融資の管理だけを行う。石炭関連事業からの撤退は米国市場だけではなく、銀行全体で取り組む。

 

 すでに欧州でのライバル金融機関である保険大手のAllianzは昨年末に、石炭関連事業への投融資から引き上げるDivestment宣言をしているほか、フランスのBNPパリバも、石炭関連事業への投融資を停止し、再生可能エネルギーへの投融資を倍増させると宣言している。ドイツ銀行もこれらの金融機関と同様に、新規投融資の停止をまず行う。

 

 ただ、他の欧州金融機関と異なる事情もある。ドイツ銀行はドイツ国内での褐炭関連事業などへの投融資をかなり抱えている。ドイツ政府自体、2022年末までに国内の原発を全機停止する一方で、石炭火力についても引き続き一定の役割を前提としている。

 

 こうしたことから、ドイツ銀行は明確なDivestment宣言はせず、既存の石炭・褐炭関連事業への融資については継続し、新規の追加投融資を見合わせる方針のようだ。「われわれは石炭産業への関与をこれ以上拡大しない」(同行プレスオフィサー)。

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