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国際協力銀行(JBIC)、フィリピンのパリ協定目標実現のため、同国の再エネ・省エネ事業支援で、地元最大銀行に対し2500万㌦のクレジットライン設定(RIEF)

2016-08-21 01:37:16

BDOキャプチャ

 

 国際協力銀行(JBIC)は、フィリピンの温暖化対策を支援するため、同国の金融機関、BDO Unibankとの間で融資総額5000万米㌦(うちJBIC融資分2500万㌦)を限度とするクレジットライン設定の契約を結んだ。日本の金融機関とフィリピンで実施する協調融資に適用する。

 

 BDOは1968年設立で、2007年にEquitable PCI Bank を買収、同国最大の銀行になった。全土に900支店を展開中。フィリピン最大コングロマリットのSMグループに属している。傘下に証券会社や資産運用会社、保険会社等も抱える。今年5月には日本のあおぞら銀行と、7月には静岡銀行と業務提携をそれぞれ結んでいる。

 

 JBICは、途上国で太陽光発電やエネルギー効率の高い発電設備の建設や整備、省エネ設備の導入などを、民間資金を活用して支援する「地球環境保全業務(通称、GREEN)」を実施している。今回のフィリピンのBDO向けクレジットラインは、GREENの適用対象となる。フィリピンでのGREEN適用は今回が初めて。

 

 GREENは「Global action for Reconciling Economic growth and ENvironmental preservation」の略。地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的として、次の2つの要件を満たす事業を前提としている。

 

 ①温室効果ガス排出量削減効果が大きいなど、地球環境保全効果が高い事業②JBICが求める地球環境保全効果について、事業主体がその効果を「測定(Measurement)」し、JBICに「報告(Reporting)」し、JBICかJBIC指定の第三者による効果の「検証(Verification)」を受け入れる事業。

 

 今回のクレジットラインは、民間金融機関との協調融資によるものであり、民間金融機関の融資部分の一部はJBICが保証する。対象事業においては日本製の再エネ・省エネ機器等の導入も想定される。

 

  フィリピンは、気候変動の影響を直接受ける島嶼国の一つ。このため、昨年末のCOP21によるパリ協定では、自主的な約束草案である「INDCs」として、2030年までに温室効果ガスの排出量を2000年~2030年までのBAU比で70%削減する積極的な数値目標を掲げている。

 

 JBICの資金協力は、こうした同国の温暖化対策目標の実現を支援するために展開される。JBICとBDOは、2013年3月に、日本の地域金融機関を通じた中堅・中小企業のフィリピンへの進出支援体制の整備に係る覚書 を結ぶなど、親密な協力関係にある。

 

http://www.jbic.go.jp/ja/information/press/press-2016/0803-49782