ナショナル・アブダビ銀行(NASB)、中東初のグリーンボンド発行。5億㌦。三菱東京UFJ銀行が引き受け主幹事に入る。日本の機関投資家向け販売に力(RIEF)
2016-08-22 19:24:12
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビの最大銀行、ナショナル・アブダビ銀行(National Abu Dhabi Bank:NADB)が、中東の銀行として初のグリーンボンドを発行する。発行額は5億㌦の予定で、主幹事には三菱東京UFJ銀行も加わった。日本の機関投資家向けの販売を担当する。
NADBはUAEの銀行の中で時価総額がもっとも大きい。先月、同じアブダビを拠点とするFisrst Fulf Bankとの合併を、両行の役員会が承認している。順調に交渉が進めば、2017年の第1四半期に統合が完了する見通し。
NADBの現在の業務は、小売金融から商業金融、投資銀行、富裕層向け、プライベートバンキング、イスラム金融、証券業務、不動産、リースなどと総合的金融業務を展開している。海外も 上海、香港、クアラルンプールなど17拠点を持つ。
今回のグリーンボンド発行は、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電事業などへのファイナンスを目的とする。NADBは年初に、今後10年間に、中東を中心としてグローバルな再エネ事業に総額100億㌦の投融資を行い計画を公表している。今回の資金調達はその一環となる。http://rief-jp.org/ct8/28258
資金の使途は、グリーンボンド原則(GBP)を踏まえて整理した同行の8つのグリーンプロジェクト・フレームワークに沿って活用される。それらは①再生可能エネルギー②エネルギー効率化(省エネ)③グリーン不動産/ビルの省エネ化④持続可能な廃棄物マネジメント⑤クリーン輸送機関⑥持続可能な水資源管理⑦気候変動への適応策⑧低炭素技術開発ーー。
ボンドへのセカンドパーティー・オピニオンはVigeoEirisが担当。「reasonable」の評価をつけた。引き受け主幹事は、Bank of America Merrill Lynch、Credit Agricole、Citi、HSBCのグリーンボンド引き受け主幹事ランキングで上位に名を連ねる米欧銀行に加えて、三菱東京UFJ銀行が入っている。日本の機関投資家向け販売に力を入れていることがわかる。
https://www.nbad.com/en-ae/about-nbad/overview.html