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ナイジェリア 国内でグリーンボンド市場整備へ、来年9月メド。国内ガイドラインも準備。日本の環境省に続く動き(RIEF)

2016-10-31 15:37:26

Nigeriaキャプチャ

 

 アフリカのナイジェリアが来年9月にグリーンボンド市場を創設するための準備に入った。国内の発行体向けの基準を設定するという。国内発行体向けガイドラインは日本の環境省も先週から作成作業に入っており、「国内市場の未熟さ」を理由に国内ガイドラインを目指す国は、これで4か国目となる。

 

 ナイジェリアのグリーンボンド市場参入は、ナイジェリアの環境相、Amina Mohammed氏が英Environmental Financeとのインタビューで明らかにした。パリ協定で同国が約束した温室効果ガス削減対策のための資金調達を目指すという。

 

 Mohammed氏は「新しい挑戦の実現は古い手法では実現できない。グリーンボンド市場を作るプロセスは、わが国がCOP21の目標を達成するためのプロジェクトを建設し、認証するフレームワークを構築するうえで役立つだろう」と述べている。

 またグリーンボンドは、再生可能エネルギーなどの多様なグリーンプロジェクトへ資金供給する入り口になると同時に、パリ協定での目標達成のために必要なプロジェクトを選別することにも活用できると、位置づけている。

 

 現在、同国がグリーンボンドで調達した資金を投じる事業として想定しているのは、3つの150MWクラスのソーラーパーク事業のほか、国営植林事業、首都Abujaでの通勤バスと交通渋滞緩和事業など。

 

 グリーンボンドの国内標準は国内の発行体向けに設定する方針。国際的に発行されるグリーンボンドは、民間金融機関が定めるグリーンボンド原則(GBP)に準拠するケースがほとんど。しかし、同国の発行体は脆弱なところが少なくなく、国内グリーン事業も多くないことから、グローバルスタンダードのGBPに準拠したボンドでは、事業体は発行しづらいという。

 

 そこで国際基準よりも「緩め」のガイドラインを基準として、発行をし易くしようという考えのようだ。この点は、日本の環境省が作業を始めた「グリーンボンドガイドライン検討会」と同じ視点だ。ただ、「緩めの基準」は、発行体にとって有利だが、投資家にとってはリスクの開示や、「グリーンのリターン」の評価が緩めになる可能性があり、投資家保護の観点が疎かになる懸念もある。

 

 現在、GBPとは別に国内用のグリーンボンドガイドラインを作成している国は、中国とインドだけ。これにナイジェリアと日本が加わる。新興国・途上国3カ国と、先進国では日本だけとなる。

http://environment.gov.ng/