ユーラスエナジー オランダで9カ所のウィンドファーム買収。総発電量72.5MW。海外での事業展開11カ国目(RIEF)
2016-11-09 23:02:36
風力発電国内大手のユーラスエナジー・ホールディングスは、オランダで9カ所のウインドファーム(合計出力72.5MW)を同国の風力会社のYARD ENERGYグループから買収した。ユーラスは10月にも、YARDが出資するフィンランドの2カ所のウィンドファーム(27.5 MW)を買収しており、1か月間に合計100MWの風力発電能力を手に入れた。
ユーラスは1986年に米国で最初に風力発電事業に進出、国内での事業展開と並行する形で、海外での事業展開を続けている。今回のオランダでの展開は海外11カ国目となる。
ユーラスは、今回のYARDからの買収に際して、ファイナンシャルアドバイザーとしてPeregrine Financial Group、法的アドバイザーは Baker & McKenzie、風力発電事業の技術アドバイザーはMECAL と Green Trust、税務アドバイザーはPwCが、それぞれ担当した。
YARD側は、法的アドバイザーとして、オランダのStek とEBH-Elshof、公証人に Horst & van de Graaff、税務アドバイザーとしてMTH Accountants & Advisorsが、それぞれ担当した。
ユーラスとYARDは今回の売買と、その前のフィンランドでの売買のほか、今後とも欧州全体で共同で新規案件の開発・運営を展開していくことでも合意した。
ユーラスは海外事業について、米、欧、アジアの3地域に分けて展開し、事業リスクを分散している。このうち欧州では、今回の事業展開を踏まえ、オランダを事業展開の中心地に位置付けている。
ユーラスの稲角 秀幸社長は「YARDとのパートナーシップは、われわれの欧州事業を次のステージに展開するものにつながると確信している。オランダは社会全体で再生可能エネルギーが受け入れられており、大きな可能性が広がっている」と今後の事業展開に期待を示した。
YARDのCEOのKevin Dijkers氏も、「ユーラスも、わが社も、再生可能エネルギーへの移行を推進する強い野心を共有している。 両社の間の協力関係は今後、より多くの再エネ発電の導入につながるだろう」と評価している。
オランダは、歴史的に風車をエネルギー源にしてきたことから、風力発電にも早くから力を入れている。同国の国土は日本の九州と同じくらいの広さだが、そこに日本全体の風力発電容量を上回る343万kW(2015年末現在)の風力発電が展開されている。さらに2023年までに陸上風力発電だけで600万kWに引き上げる目標を掲げている。
<今回、ユーラスが購入したオランダ国内のウィンドファーム>
・発電所名・規模・風車メーカー
①Windpark Zoetermeer (ズーターミア) 9,000kW (Vestas)
②Windpark Lely (レイリ) 5,200kW (Lagerwey)
③Windpark Boerderijweg (ブールデライウェグ) 9,200kW (Enercon)
④Windpark Tolhuis (トルハウス) 9,900kW (Enercon)
⑤Windpark Dalfsen (ダルフセン) 9,900kW (Enercon)
⑥Windpark IJslandweg (アイスランドウェグ) 2,300kW (Enercon)
⑦Windpark Oesterdam (ウーステルダム) 5,000kW (Nordex)
⑧Windpark Van Gogh (ヴァン ゴッホ) 10,000kW (Enercon)
⑨Windpark Netterden (ネッテルデン) 12,000kW (Lagerwey)
合計 72,500kW
電力の売電先 : Scholt Energy Control, Eneco, GETEC Energie