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中国銀行(Bank of China) 初の担保付グリーン・カバードボンド発行、5億㌦分。ロンドン証取に上場(RIEF)

2016-11-14 12:20:55

Chinagreenbondキャプチャ

 

 中国の中国銀行(Bank of China)が初の担保付の「グリーン・カバードボンド」を5億ドル分発行し、ロンドン証券取引所に上場された。

 

 中国企業が国外でカバードボンドを発行したのは今回が初めて。ボンドは、償還期間3年、クーポンレートは1.875%。Moody’sの中国銀行の格付けであるA1より1ノッチ高いAs3の格付けが付けられた。応募は募集額を1.8倍上回る人気となった。外部評価はEYが担った。

 

 発行されたボンドの73%は金融機関が購入し、17%は資産運用機関、5%は保険会社、4%はプライベートバンク、ソブリン・ウェルス・ファンドが1%をそれぞれ購入した。販売主幹事は Barclaysのほか、 Bank of America Merrill Lynch、 CCB、 Credit Agricole、 Societe Generale、 Standard Charteredが担当した。

 

 通常のグリーンボンドは、調達資金の使途はグリーン事業だが、それらの事業を債券の担保としているわけではなく、ノンリコース(非遡及性)となっている。これに対して、カバードボンドは金融機関が保有する貸付債権をプールして担保としており、万一、発行体がデフォルトしても、担保からの債権回収を優先的に行なえるメリットがある。

 

 グリーン・カバードボンドは、2015年にドイツの不動産金融のBerlinHypがグリーン・ファンドリーフ(カバードボンド)5億ユーロを発行したのが初めて。ドイツはカバードボンド市場が発達している。

 

 今回の中国銀行の場合は、中国の証券保管振替機構である「Central Securities Depository and Clearing Corporation (ChinaBond:中国結算)」に登録された気候関連ボンド指標から、担保対象を選択してプールする。調達資金は、中国国内での再生可能エネルギー事業や汚染防止抑制事業、低炭素輸送、持続可能な水資源管理などの事業に充当する。

 

 担保がある分、信用力が増すので、格付けもアップする。投資家は発行体の信用力と、担保の信用力の両方を評価できることになる。中国銀行は今回のグリーン・カバードボンドを同行のミディアムタームノート(MTN)プログラムの一環として発行した。

 

 中国銀行のdeputy general manager のWang Yan氏は「今回のボンドは、中国が主導したG20のグリーンボンド・スタディグループが推進したパイロットプロジェクトの一つの成果だ。ボンドの信用力をアップすることで、中国の国内市場と国際グリーンボンド市場の連携を促進することを目指している」と説明している。

 

 担保とするグリーン事業の選択に活用するChinaBondの気候関連指標は、グリーンボンドの国際基準となっているグリーンボンド原則(GBP)に準拠しており、さらに国際的なベストプラクティスをも考慮して設定したという。ChinaBondはグローバル投資家向けにカストディサービスも提供する。

 

ロンドン証券取引所のCEO、Nikhil Rathi氏は「新ボンドは中国国内のグリーンボンド市場を、国際的投資家のオフショア市場につなげる重要な役割をする。特に英国と中国の資本市場の連携を意味する。今後、発行が増大すると期待している」と強調した。

 

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