GGIFはモロッコおよびアフリカでのグリーン投資機会の獲得を目指す民間資本ファンドとして設立される。対象事業は、クリーンエネルギーや低炭素輸送、水資源の効率的な利用などの低炭素インフラとし、それらの事業を汎アフリカのレベルで支援し 、アフリカ諸国がグリーン経済に移行する触媒となることを目指す。
GGIFの運営において、世界銀行はファンドの設立と政策運営についてのこれまでの経験を生かし、Ithmar Capitalもこれまでの共同投資の仕組みでの経験と投資先とのネットワークを活用して貢献することになる。
GGIFは対象となるアフリカ諸国の各国公的機関と協働し、適格なグリーン事業を「Public Private Partnership(PPP)」を展開することも目指す。世銀とIthmar Capitalは、PPPによる緊密なパートナーシップ活動を展開する中で、アフリカ全域でのグリーン投資活動に参画する民間資本を増やすために、地域の開発銀行や、ソブリンウェルスファンド、各国の機関投資家などとも協働する。
GGIFは、民間資本を活用して環境分野での持続可能なインフラへの投資資金の流れを、レバレッジすることを通じて、限界的に投資不適格な事業についても、そのリスクを軽減し、投資可能にすることを目指す。当該ファンドが活用するツールは、事業の事前準備や資本構造の革新的メカニズム等を含む。
今回のアフリカ特化グリーンファンドの立ち上げは、30以上の国々によるソブリンファンドで構成するIFSWF Chair(International Forum of Sovereign Wealth Funds)の支援も受けている。IFSWFはすでに気候変動のワーキンググループを自ら立ち上げている。
同ファンドはモロッコの国王であるモハメッド6世の主導によって、同国をグリーン投資を展開するアフリカのハブとして位置づけている。モロッコは、銀行、保険、通信、エネルギー農業、社会性住宅などのような、高いESG価値を保有する分野への直接投資が増加しており、欧州諸国にも近いという地の利などから、多くのアフリカ諸国にとって経済的にも、戦略的にも、重要なパートナー国となっている。