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中国五番目の大手銀行、交通銀行が、過去最大のグリーンボンド発行。人民元建てで44億㌦分。使途はクリーンエネルギーなど(RIEF)

2016-12-01 10:35:10

BoC2キャプチャ

 

 中国で五番目に大きい交通銀行(BoCom・本社上海)が、一回の発行としては過去最大となる44億㌦(300億人民元)のグリーンボンドを発行した。

 

 発行されたグリーンボンドは、3年物、利回り2.94%と、5年物、同3.25%の二種類で、いずれも人民元建て。同行は11月に中国人民銀行からグリーンボンドの発行枠として700人民元(約101億㌦)を認められた。今回の発行はその一部で、今後、さらに追加発行の可能性がある。

 

 これまでのグリーンボンドの最高発行額は、2014年のフランスの公益事業企業のGDF Suezによる34億㌦(25億ユーロ)だった。交通銀行の発行額はそれを9億㌦も上回った。

 

 資金使途は、省エネ、クリーン運輸、クリーンエネルギー、生態系保護と気候変動の適応策、汚染防止と管理抑制事業、資源保全とリサイクル、という6つの分野に投じられるという。

 BoCキャプチャ

 同ボンドには、格付け機関のMoody’s がグリーンボンド用のアセスメント手法で、最上位のレベルとなるGB1を付与した。同格付けは信用格付けとは別物。また監査法人のDeloitte Touche Tohmatsuが人民銀行のガイドラインに準拠していることを認証した。

 

 今回のグリーンボンドは規模は大きいが、いずれも人民元建てであることから、国内投資家及び香港投資家を対象にしたものとみられる。中国国内向けのボンドの場合、人民銀行のガイドラインでは、石炭火力についてもCO2排出量を抑制したものは「クリーンコール」と位置付け、汚染防止と管理抑制事業の一環として資金使途対象に認めている。

 

 このため、英非営利団体のClimate Bonds Initiative(CBI)は、クリーンコールを対象に含めるグリーンボンドは、グローバルに認知されるグリーンボンドとしては認めていない。今年初めに中国の民間銀行の興業銀行が発行したボンドがそれで、 資金使途の26%がクリーンコール事業向けだった。

 

 今回の交通銀行の資金使途対象に、クリーンコールが含まれているかは、現時点では不明。Moody’sのアセスメントが最上位であることから、含まれていないとの見方が一般的だ。

 

http://www.bankcomm.com/BankCommSite/shtml/zonghang/en/3153/list.shtml