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インド、太陽光等再エネ発電電力を消費地につなぐ送電網「グリーン・コリド―」計画で、1270億ルピー(18億㌦)投資へ。ドイツKfWがソフトローンを提供(RIEF)

2017-01-09 14:24:52

India greencorridor2キャプチャ

 

 インドは、国中で開発が進む34の太陽光発電パークの20GWの電力を、電力の消費地に安定的に供給するための送電網の強化に、1270億ルピー(18億㌦)を投資する。モディ政権がドイツと連携して推進する「グリーン・エネルギー・コリドー」計画に基づく。

 

 モディ政権は国内での再生可能エネルギー普及のため、ドイツと連携し、「Indo-German Energy Programme – Green Energy Corridors (IGEN-GEC)」を推進している。2015年3月時点でのインド国内の太陽光や風力などの再エネ発電量は36GW、全電力需要に占める比率は13%。モディ政権はこれを、2020年までに、約5倍増の175GW分を追加する計画。

 

 「グリーン・コリドー」計画では、再エネ発電のキャパシティーを増やすだけではなく、日照や風力など自然条件によって不安定となる再エネの発電力を安定化させ、電力生産地と消費地を効率的に接続する送電グリッドの近代化投資が重視される。

 

 IndiaGreencorridorキャプチャ

 

 再エネ発電は、広大なインドの各州に分散建設されているため、これらを全国の送電グリッド網と連携させ、再エネ電力の周波数の安定化のシステムを取り入れる必要がある。このため、コリドー計画では州間送電網の建設に800億ルピー、州内送電網の建設に、さらに474億5000万ルピーの投資を見込んでいる。

 

 コリドーの建設のため、ドイツの公的開発銀行のKfW(ドイツ復興金融公庫)から、10億ユーロ(約10億5400万㌦)以上の貸出条件の緩やかなソフトローンの提供を受ける予定だ。また送電の安定のために、再エネ制御センター(REMCs)の設立や、余剰再エネ電力等の売買市場の整備などもドイツの協力で進める。

 

 今回の投資計画はコリドー全体計画の第一弾で、再エネ発電に力を入れている21州に点在する34の太陽光パークの電力を、電力消費地の都市等に供給するため、国内の基幹送電網に接続する。エネルギー・石炭・鉱山相のPiyush Goyal大臣が明らかにした。

 

 コリドー計画によると、州内送電網の整備費用のうち、20%は州政府がエクイティとして出資、40%は国家クリーンエネルギーファンドからの贈与、残りの40%をソフトローンでカバーする予定。一方の州間送電網の建設には、30%をインドの国営電力会社の Power Grid Corpが出資、残りの70%はソフトローンで調達する。