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フランス グリーン国債ボンド発行へ。今週中に機関投資家と交渉入る。グリーンボンド市場のベンチマーク目指す(RIEF)

2017-01-03 23:46:35

franceキャプチャ

 

  フランスがグリーン国債ボンドを発行する。今週中に投資家家との間で発行交渉に入る予定で、条件を確定した後、今月中に正式に発行する見通しだ。2015年のCOP21のパリ協定で2030年に向けた国際的温暖化対策合意をリードした同国が、グリーンファイナンスでもリーダーシップを発揮する構えだ。

 

 今週末、主幹事のCredit AgricoleとMorgan Stanleyが投資家との公式の交渉に入る。共同主幹事にはBNP Paribas、 Natixis、Societe Generaleの仏銀大手が勢ぞろいする。

 

 Credit Agricoleはグリーン国債ボンド発行のストラクチャー・アドバイザーの役割も務める。フランスはMoody’sからAa2を、S&PからAAの信用格付けを得ている。同国の 経済財政相のMichel Sapin氏はグリーンボンドの発行を組み込んだ2017年の財政計画を承認した。

 

 市場関係者は、発行されるフランス初のグリーン国債は、ユーロ建てで期間10~15年ものと予想されている。発行額等はわかっていない。

 

 グリーンボンドの国債版は、昨年末にポーランドが世界で初めて発行しており、フランスはそれに次ぐ形となる。フランスはグリーンボンド市場のベンチマークとして定期的な国債発行を計画している。このため、市場へのインパクトはポーランドの発行よりはるかに大きいとみられている。http://rief-jp.org/ct6/66468

 

  フランスでは、これまでも首都パリを含むイル=ド=フランス地域圏( Île-de-France)をはじめ、大手金融機関等がグリーンボンド発行を続けている。そうした中で同国政府がグリーン国債ボンド発行を決めたのは、昨年11月のパリ協定発効に基づき、各国が自ら公約した温室効果ガス削減計画の実施を求められていることを財務ファイナンス面で明確に位置づけることが狙いとみられる。

 

 グリーン国債ボンドの発行は、このほかにもスウェーデン、バングラデシュ、ナイジェリアが発行を公式に宣言している。また、イタリア、中国、デンマークも発行の可能性が市場で指摘されている。

 

 日本も超低金利下で国債投資が金融機関からも敬遠されているが、温暖化対策のファイナンス手段として、一定のグリーン国債ボンドを発行すると、個人投資家や機関投資家らの投資意欲を誘う可能性がある。