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フランス初のグリーンボンド国債 発行規模はグリーンボンド市場過去最大の75億㌦に。償還期間も20年超。国際的なグリーンボンド原則に準拠(RIEF)

2017-01-25 11:58:22

Franceキャプチャ

 

  フランス政府が発行する同国初のグリーンボンド国債(グリーンOAT)の発行額が、過去のグリーンボンドで最大規模の70億ユーロ(約75億㌦)に達することになった。償還期間も認証付のグリーンボンドではこれまでにない最長2039年までの22年間となっている。

 

 過去最大の発行額にもかかわらず、購入の応募は発行額の約3倍の235億ユーロ分も集まったという。クーポンレートは1.75%。フランスは今年年初にグリーンOAT(Obligation Assimilable du Trésor)の発行を公表していた。http://rief-jp.org/ct6/66892

 

 政府がグリーンプロジェクト用の資金調達のために国債を発行するのは、昨年12月に、ポーランドが7億5000万ユーロ、5年物を発行したのが初めて。フランスは「グリーンボンド国債の第一号」の称号はポーランドに譲ったが、今回の発行額はポーランドの10倍近く、期間も大幅に長い。http://rief-jp.org/ct6/66468

 

  一回の発行額でこれまででもっとも多かったのは、昨年末に中国の中国交通銀行が発行した44億㌦分(300億人民元建て)。今回のフランス国債はそれを6割以上上回った。

 

 市場関係者は、「信用力の高い国による大規模なグリーンボンドの発行は、グローバル・グリーンボンド市場の流動性を高め、市場のベンチマークとしての役割を期待できる」(Sean Kidney, CEO of Climate Bonds Initiative)と歓迎している。

 

 グリーンOATはフランスの一般国債と同様、Moody’sから Aa2、S&PとFitchからAAの信用格付けを得ている。グリーンボンドの民間国際基準であるグリーンボンド原則(GBP)に準拠しており、グリーンの第三者評価は、仏英のESG評価会社のVigeo eirisからセカンドオピニオンを得ている。

 

 調達資金の使途は、①グリーンビルディングなどの建物②エコカーなどの運輸③再生可能エネルギーなどのエネルギー分野④生活資源と生物多様性⑤温暖化への適応策⑥汚染防止とエネルギー効率化、の6分野となっている。

 

 共同主幹事はBarclays、 BNP Paribas、 Credit Agricole (B&D)、 Morgan Stanley、 Natixis、Societe Generaleが務めた。