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東京電力と中部電力の共同会社「JERA」。インドの再エネ市場に本格進出。民間発電トップのReNew社に2億㌦出資。日本国内の再エネ市場にも参入してもらいたいね(RIEF)

2017-02-15 01:00:42

 

 東京電力と中部電力が共同出資する「JERA」は、インドの再生可能エネルギー発電事業者の「ReNew Power Ventures Private Limited(ReNew社)」が発行する第三者割当増資を引き受け、同社の発行済み株式の10%を2億㌦(約230億円)で取得することで合意した。ReNew社を通じて、インド国内の再エネ事業に本格参入する。

 

 ReNew社は2011年に、米ゴールドマンサックスのプライベート・エクイティー会社として設立された若い企業。インド国内で、風力および太陽光発電を開発・運営する同国最大手の再エネ発電事業者として知られる。

 

 現在運転中の太陽光などの発電設備を約150万kWを保有しているほか、約180万kWの発電設備を建設中という。JERAの第三者増資引き受けで、ReNewの資本力は、20億㌦規模に増大する。

 

 インドは2015年に、モディ政権が再エネ事業促進のため国家プロジェクト「Re-Invest」プログラムを立ち上げた。経済成長に必要な電力供給を再エネ発電強化でまかなうとともに、温暖化対策にも資する政策展開だ。2022年までに太陽光発電1 億kW、風力発電6000万kWを導入する目標を掲げている。ReNew社は再エネ目標達成のために主要な役割が期待されている。http://rief-jp.org/ct6/60259


jeraキャプチャ

 

 一方、JERAは、ReNew社の株主になることで、東京電力、中部電力がこれまでに培ってきた発電プロジェクトの開発・運営等の経験やノウハウを、ReNew社に伝えて同社の企業価値向上を促すとともに、今後急成長が見込めるインド国内での再エネ市場に本格的に参入する考えだ。

 

 JERAにとって、ReNew社への資本参加は、これまでの海外再エネ事業ビジネスで最大規模になる。同社では「当社の海外発電事業の持続的な発展のためには、火力発電事業に加え、再生可能エネルギー事業への参画は不可欠」と位置付けている。

 

 JERAは、東電と中部電の燃料調達、発電事業の共同展開のために設立された。両社を含め、電力各社は国内経済の減速と、燃料効率化の進展で、国内での電力需要が減少傾向をたどっており、海外に活路を求めている。特に、東電の場合、福島第一原子力発電所の廃炉・賠償費用をまかなう新たな収益源の確保も求められている。

 

 JERAは増資後のReNew社に社外取締役らを送る予定。同社の2016年3月期の売上高は約150億円、純利益は約15億円。株主は、米ゴールドマン・サックスが過半数を保有するほか、アラブ首長国連邦のアブダビ投資庁、アジア開発銀行、米国のGlobal Environmental Fund(GEF)が名を連ねている。

 

 ReNew社のCEO兼会長のSumant Shinha氏は「JERAがインド市場への参画のために、われわれに資本参加を決意したことを歓迎する。JERAの参加は、インドのエネルギー市場を低炭素化していくうえでの、われわれの能力とコミットメントを強化することにつながる」と述べている。

http://renewpower.in/

http://www.jera.co.jp/information/20170214_84.html