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グローバル市場のグリーンボンド、総発行額2000億㌦(22兆6千億円)を達成。大半が流通市場に残る。年内に3000億㌦台にも(RIEF)

2017-02-21 01:47:03

GBキャプチャ

 

 グローバル市場でのグリーンボンドの発行額が、2000億㌦台(約22兆6000億円)に達した。このうち大半の1885億㌦分が償還期限以内で流通市場を形成している。第一号のグリーンボンドの発行から10年間で2000億㌦に膨らんだことになる。

 

 2000億㌦台達成は、先月、フランスが同国初のグリーンボンド国債を過去最大規模となる70億ユーロ(約74億㌦)を発行したことで、一気に実現した。グリーンボンド第一号が欧州投資銀行(EIB)によって発行された2007年は年間8億694万㌦だった。

 

 ボンドの発行が急成長するのは、2013年で前年の3倍強の110 億㌦を発行して以降だ。翌14年も3倍増で366億㌦、15年は少し伸び悩んで420億㌦、16年は倍増の920億㌦となっている。

 

 市場関係者による今年の見通しは、1000億~1700億㌦と急成長が続くとの読みが多い。予想通りの発行が進むと、発行残高も年内に3000億㌦に乗せることになる。

 

 昨年のグリーンボンド市場拡大の要因としては、中国市場の急拡大が影響しているのは間違いない。中国の発行体は、グローバル発行額全体の3分の1に相当する362億㌦を1年間で発行した。国別の発行総量では第一位。

 

 中国市場は今年も、前年を倍加する伸びをするとみられている。また、フランスのグリーンボンド国債が登場したように、各国で温暖化対策やインフラのグリーン化のための資金調達として、グリーンボンド国債の発行が広がるとの期待も出ている。すでにポーランドとフランスがグリーン国債を発行しているが、今後、スウェーデン、ナイジェリア、イタリア、カナダなどの国債発行も予想されている。