HOME9.中国&アジア |2017年の太陽光発電のグローバル需要予測、昨年を上回る80GW前後。85GWの強気予測も。日本市場はインドに抜かれ4位に。最安値受注は1kWH当たり2セント以下も出現(RIEF) |

2017年の太陽光発電のグローバル需要予測、昨年を上回る80GW前後。85GWの強気予測も。日本市場はインドに抜かれ4位に。最安値受注は1kWH当たり2セント以下も出現(RIEF)

2017-04-06 23:15:28

solarキャプチャ

 

 今年のグローバルベースでの太陽光発電の需要規模について主要機関の推計が相次いで出ている。それによると、おおむね80GW前後で、高いところは85GWと予想、昨年の78GWを上回る見通しだ。発電コストは最安値で、1kWH当たり2セントを切る場面もあるとしている。

 

 米国の市場調査会社GTMの推計は、年間の太陽光発電需要は85GWと過去最大になる見通し。英調査会社のIHS Markitは、やや低めの79GWと予測した。IHS Markitが昨年とほぼ同水準と慎重な見通しなのは、中国、米国、日本の3大市場の伸び率が低迷するとの見方による。

 

 GTMも、日本は固定価格買取制度(FIT)の買い取り価格低下が続き、大容量の太陽光を入札制に切り替えるなどの太陽光発電を抑制する政策を導入したことから、太陽光への需要は縮小するとみている。その一方で、インドが急増し、10GW近くになって、日本市場を追い抜くとみている。

 

 ただ、インドはまだ投資資本が不足しているほか、屋根置き太陽光の法整備が不十分、系統網との接続問題などの課題が山積しており、これらをどう克服するかで、さらに増えるか、伸び悩むかの分かれ目になるという。

 

 中国市場は政府の方針で需要自体が左右されることから、両社とも慎重な見方をとっている。中国は昨年34GW前後と大きく伸びた。だが、これは前年までに滞っていたプロジェクトの認可が一気に進んだことと、年前半に中国版の固定価格買い取り価格が有利だったことで、投資が前倒しで集中したといった一時的な要因も後押しした。

 

 昨年の増大が、これらの一時的要因が大きく寄与したとすれば、今年は低下してもおかしくない。ただ、米国がトランプ政権下で気候変動対策を大きく縮小しようとしている中で、中国が逆に積極的な気候変動対策を再び展開することも考えられる。

 

 Bloomberg New Energy Financeは、そうした不確実要素を考慮してか、 76-81GW と幅で予測している。中間値はIHSと同じ 79GWとなる。

 

 台湾を拠点とするEnergyTrend は先月公開した予測で 73.9GWと低めの想定をしている。中国市場の新規建設が減少することが最大要因とみている。同社もインドが日本市場を追い越すと指摘している。

 

 太陽光発電事業の価格低下は引き続き進む。GTMは、本年中にもっとも安価な事業では1kWh当たり2セントを切るレベルにまで下がる可能性があるとみている。GTMが念頭に置くのは、年初にアラブ首長国連邦(UAE)のSweihanで、丸紅とジンコソーラー(中国)が受注したプロジェクトで1kWh当たり2.3セントで受注した件だ。

 

 現在、サウジアラビアが計画中のギガ・ソーラーの入札では、UAEと同様に、土地コストほぼゼロ、超長期プロジェクト、優遇金利等の好条件が想定されている。このため、応札事業者は長期事業受託を前提に競争するとみられる。ただ、こうした好条件がそろう地域や案件は限られており、2018年には発電コストは安定的に推移するとみられている。

https://www.pv-tech.org/news/2017-global-pv-demand-forecasts-as-high-as-85gw