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世界銀行、グリーンボンドの累積発行額100億㌦を突破。EIB、KfWについで3機関目。「世銀のグリーン」は、日本の個人投資家にも人気銘柄に。(RIEF)

2017-04-11 15:34:39

seginキャプチャ

 

 世界銀行は、これまでに発行したグリーンボンドが累積で100億㌦に達したことを明らかにした。先週発行した3億5000万㌦のグリーンボンドで総額100億5000万㌦の発行額となった。世銀は2008年にグリーンボンドを発行して以来、継続的に発行してグリーンボンド市場形成の土台作りに貢献してきた。

 

  「グリーボンド発効100億㌦越え」の金融機関は、欧州投資銀行(EIB)、ドイツの復興金融公庫(KfW)についで3機関目。

 

 記念すべき100億ドル越えのグリーンボンドは、スウェーデンの保険会社Folksam向けに発行した2種類のボンド。発行額3億㌦の固定金利2.00%の5年物と、5000万㌦の変動金利(Libor3ヶ月ものドル金利連動)の同じく5年物。ともにグリーンボンド専用の上場市場であるルクセンブルクグリーン証券市場(LGX)に上場された。主幹事はスウェーデンのSEBが担当した。

 

 世銀は2008年に最初のグリーンボンドを発行した際の主幹事もSEBが担当した。グリーンボンドの第一号は同じ年の7月に発行された欧州投資銀行(EIB)によるClimate Awareness Bonds(CABs)とされるが、世銀は毎年定期的にグリーボンドを発行、当初から市場形成を意識してきた。第一号のボンドの主幹事もSEBだった。

 

 これまでの発行件数は130件強、発行通貨は18種類に及ぶ。世銀のグリーンボンドの買い手としては、日本の個人投資家が知られる。既発の売り出し債市場としての日本の投資家の「グリーン金融商品」への買い意欲は強く、「Uridashi」がそのままで通用するきっかけとなった。

 

 世銀がグリーンボンドで調達した資金は途上国での温暖化対策事業等に投じられる。世銀の財務担当の副総裁のAruma Oteh氏は「記念すべきマイルストーン。われわれはさらに将来に眼を向けており、気候変動問題をはじめ健康、インフラ等の持続可能開発目標(SDGs)の諸課題を解決するために、新たな投資家とパートナーとなり、資本市場との連携を深めて行きたい」と述べている。

 


 第一号のグリーンボンドの際も主幹事を務めたSEBの気候・サステナブルファイナンス担当のChirstoper Flensburg氏は「世銀や投資家との協働によって、われわれは金融コミュニィが、如何に世界の開発問題を優先的に対処できるかを学んできた。今回のFolksamの世銀グリーンボンド引き受けも、投資家としての資金を途上国へのファイナンスに活用することを前提とした投資だ」と、世銀とともに、Folksamの投資スタンスをも賞賛している。

 

http://treasury.worldbank.org/cmd/htm/World-Bank-Green-Bonds-Reach-USD-10-Billion-in-Funding-Raised-for-Climate-Finance.html