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仏保険大手のアクサ(AXA)石炭売り上げ・発電比率が50%以上の鉱業、電力への投資と保険引き受け停止を宣言。グループの「責任投資戦略」に盛り込む(RIEF)

2017-04-30 22:47:12

AXAキャプチャ

 

 フランスの大手保険会社で、日本でも事業展開するAXA(アクサ)は、地球温暖化対策を支援するため、石炭関連殿高い電力、鉱業などへの投資、保険引き受けを停止すると宣言した。石炭採掘が売り上げの50%以上の鉱業、石炭火力が発電量の50%以上の電力会社が対象。グローバルな保険会社が明確な「脱石炭」を本業の柱に取り込んだのは初めて。

 

 アクサは「石炭鉱山と石炭関連エネルギーに関するアクサのグループ政策」として、この方針を公表した。対象となる鉱業と電力会社の規定はこれらの企業を抱えるホールディング会社にも適用とする。ただ、ホールディング傘下で対象比率以下の石炭子会社等には適用されない。石炭以外のカーボン多排出産業なども今回は含まない。

 

 アクサは、今回の「脱炭素」政策について、温暖化対策のために国際合意したパリ協定の目標(地球の温度上昇を産業革命前から2℃以内に抑える)を達成するには、化石燃料資源の多くが使用できなくなる可能性が高く、それらの産業・企業では重要な資産損失(Stranded Assets:座礁資産)が生じる可能性がある点に言及。

 

 これまで低コストのエネルギー源とされてきた石炭が、温暖化への影響が最も多い資源として、投資リスクが高まると指摘。そのうえで、保険会社としては、保険契約者のために、CO2排出削減の戦略を設定することが求められ、投資と保険引き受けの保険会社の本業の両面で責任を果たさねばならないと強調している。

 

 アクサは今回の「脱石炭」政策を、グループ全体の「グループ責任投資政策(GRIP)」に盛り込んだ。GRIPは国連の責任投資原則(PRI)に連動している。さらに、そして今回の取り組みは同グループのCSR(企業の社会的責任)戦略に基づくESG要因評価の基本項目と位置付けている。

 

 保険の引き受けについては、グループの企業向け損害保険の引き受けガイドライン(Group’s P&C Commercial Lines)に盛り込む。ただ対象企業の従業員向けに提供される障害保険や医療保険等を総合的に提供する Employee Benefitsの既存契約については対象外とするが、同サービスの新規引き受けは行わないという。

 

 アクサはPRI活動の一環である、保険会社の責任保険活動を進める国連持続可能保険原則(PSI)の署名企業でもある。今回の判断は、ESG要因を保険ビジネスに組み込むことPSI活動にも合致したものと位置付けている。

 

 気候変動対策の強化を求める環境NGOなどは、アクサの今回の宣言を歓迎する一方で、「50%以上」という基準は緩すぎる、と批判している。同社の資産運用のうち、今回の基準に該当するのは1億9200万㌦(2015年)に過ぎないためだ。

 

  環境NGOの「 #UnfriendCoal」などは、「少なくとも30%以上のビジネスが石炭関連である企業を投資・保険引き受けから除外するべき」と求めている。同時に、他の保険会社にも石炭関連企業をビジネスの対象外とすることを求める運動を強化するとしている。

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