HOME4.市場・運用 |米国のDAPL建設問題で、協調融資団参加のフランスの大手銀行に直接の抗議行動。今週の株主総会が焦点に。同じ融資団の日本の3メガバンクも標的に(?)(RIEF) |

米国のDAPL建設問題で、協調融資団参加のフランスの大手銀行に直接の抗議行動。今週の株主総会が焦点に。同じ融資団の日本の3メガバンクも標的に(?)(RIEF)

2017-05-22 22:42:16

Banktrackキャプチャ

 

  米国で環境汚染と先住民族の人権問題を引き起こしているダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)計画の協調融資団に参加しているフランスの大手銀行、 Société Générale(SE)のパリ市内の支店で、同計画に反対する環境NGOや先住民代表らが22日、抗議行動を展開した。 融資団には日本の3メガバンクも参加している。

 

 抗議行動を展開したのは、パイプライン計画で居留地の環境汚染に直面する先住民族のスタンディングロック・スー族の支援者や、フランスFOE、温暖化反対の活動団体ANV-COP21のメンバーら。SEのパリ市内のマルゼルブ通り支店に、DAPLを象徴するパイプラインの一部を持ち込み、抗議の意思を示した。

 

 活動家らは、23日に開くSEと、同じく融資団に加わっているBNPパリバの株主総会にも出席して融資を中断するよう求めるという。また融資団に加わっているもう一つの大手行のクレディアグリコルの24日の総会にも押しかける予定。

 

banktrack3キャプチャ

 

 DAPL計画は、オバマ前政権時代に、事業者に対してルート変更の代替案の検討を指示されていた。ところが、トランプ大統領は原案通りの建設を許可した。トランプ政権は同計画以外でも、温暖化対策からの全体的な後退を明確にしており、国際環境NGOにとって、DAPLは「トランプ政権の反温暖化志向の象徴」と受け止められている。

 


 この日朝、SEの支店に掲げられた抗議団体の抗議文は「フランスの銀行は、気候変動よりトランプを優先するな。利益の前に人権を重視せよ」とゲキを飛ばしている。

 

 仏FOEのLucie Pinson氏は、「フランスの銀行はトランプ政権による米国の環境規制の解体の共犯になるべきではない。仮に米国がG7首脳会議でパリ協定からの離脱を宣言しても、フランス銀行はDAPLのパイプラインとターミナル設備事業への融資をしないと約束するべきだ」「この問題は気候変動や環境問題だけではなく、人間性の問題だ」と強調している。

 

bannktrack2キャプチャ

 

 米国から訪仏した先住民の一人、Rachel Heaton氏は「われわれ人類は、DAPLの化石燃料プロジェクトのために高い費用を払わされていることを、フランスの人々に知ってもらうために来た。そのプロジェクトはフランスの銀行の資金によって進められているのだ」と指摘した。

 

 DAPLの建設資金は、欧米日の17の金融機関が総額25億㌦をプロジェクトファイナンス方式で融資している。金融機関の中には、シティバンクなどの米銀や仏3銀行のほか、日本の三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクなども参加している。オランダのINGグループなどは融資団から離脱を表明している。http://rief-jp.org/ct7/68597

 

 今回、先住民や環境NGOらが米銀以外の融資団に直接の抗議行動をしたことは、日本の融資銀行の「融資責任」についても、ターゲットになる可能性を示唆している。

 

http://mailchi.mp/banktrack/pipeline-action-at-socit-gnrale-french-banks-must-not-be-trump-accomplices?e=2aebff0192