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フランス財務省 今年2回目のグリーンボンド国債発行。初の入札方式で16億ユーロ強。マクロン政権の温暖化対策堅持姿勢を示す(RIEF)

2017-06-14 02:01:19

AFTキャプチャ

 

  フランス財務省(AFT)は今年2回目のグリーンボンド国債(グリーンOAT)16億3200万ユーロを入札方式で発行した。入札でのグリーンボンド国債の発行は初めて。AFTは1月に初のグリーンボンド国債を金融機関引き受けの形で発行している。AFTは通常、入札方式で国債を発行しており、今回の入札でグリーンボンド国債も通常発行体制になったといえる。

 

 入札発行のため、引受金融機関は介在しない。応札額は発行額を倍近く上回る28億ユーロに達した。償還期間は22年後の2039年、クーポンレートは1.75%。

 

 仏AFTは当初、発行額を14億7300万ユーロと想定していたが、応札額が増えたため発行を増額した。グリーンボンド国債の「グリーン」の適格性については、ESG評価機関のVigeoEirisが、財務省の「グリーンボンドフレームワーク」全体について、セカンド・オピニオンで評価している。http://rief-jp.org/ct6/67313

 

 調達資金は政府が推進している適格グリーン投資事業の資金に充当するほか、オランド前政権時代にスタートした総額130億ユーロ規模の「第3次未来への投資プログラム(PIA)」イニシアティブのグリーンインフラ等の事業に投じられる予定。グリーンボンド国債は、すでに年初に第一号として70億ユーロ分を発行しており、今回の分を合わせると発行額は86億ユーロとなる。

 

 

 PIAによると、総投資額の59%は気候変動の回避策に投じる予定で、21%は適応策、14%は生物多様性の保護、6%は汚染物質規制にそれぞれ充当する計画だ。

 

 これら4分野への配分に加えて、低炭素化社会への移行を推進するために仏政府が導入しているグリーン製品・サービスのラベリングシステム(TEEC)による対象事業の選別を行う。

 

 フランスはパリ協定で、2030年までにCO2排出量を90年比で40%削減を目標に掲げている。トランプ米政権が同協定からの離脱を宣言したが、新たなマクロン仏政権は、温暖化対策の目標堅持を明確にしている。今回のグリーンボンド国債発行も仏政府が温暖化対策を揺るがせないという強い姿勢の表れといえる。AFTは「グリーンボンド国債は、フランスの2℃シナリオの中心政策を占める」と強調している。

 

http://www.aft.gouv.fr/