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米主要公的年金のカリフォルニア教職員退職年金基金(CalSTRS)海外の石炭関連企業株全売却、今月末で完了へ。トランプ政権の「石炭再興」政策と一線を画する(RIEF)

2017-06-25 18:36:45

Calstrs2キャプチャ

 

 石炭関連企業向け投資を削減している米有力公的年金のカリフォルニア教職員退職年金基金(CalSTRS)は、7月1日でもって、海外でのすべての石炭発電所関連企業株を売却、ポートフォリオのDivestmentを完了すると公表した。

 

 カリフォルニア州は2015年9月、州の公的年金に対して、石炭関連収入が半分以上を占める海外の企業向けの投資を避けることを求める法律(SB185)を制定した。これを受けてCalSTRSの理事会は16年2月に投資ポートフォリオのDivestmentを進めることを決定した。

 

 すでにこれまでに該当する海外石炭関連株のDivestmentを進めており、インドネシアの PT Adaro Energy、南アのExxaro Resources、オーストラリアのWhitehaven Coalの3銘柄、時価総額830万㌦分が残っていた。これらについて今月中に売却のめどがついた。

 

 カリフォルニア州の財務長官であり、CalSTRSの理事でもあるJohn Chiang氏は「石炭は米国にとってすでに過去の燃料。CalSTRSはカリフォルニアの納税者と、地球の市民にとって正しいことを実践していく」と評価している。

 

 トランプ米大統領はパリ協定からの離脱を宣言、石炭産業の再興を目指している。これについても、CalSTRSのCEO、Jach Ehnes氏は「CalSTRSはグローバルな視点に基づいて長期的な持続可能性を高めることを重視している」と、連邦の姿勢とは距離を置いた資産運用を展開する決意を示した。

 

 CalSTRSはこれまで、低炭素インデックスに基づくサステナビリティの高い銘柄株への投資を25億㌦、グリーンボンド投資を2億6000万㌦と積み上げている。2009年からの比較ではこれらの“グリーン投資”規模は10倍に膨らんでいる。

 

 CalSTRSの保有資産額は2065億㌦(22兆9000億円:今年4月30日時点)。教育関連の公的年金としては世界最大。加盟者は91万4000人以上の同州の1700以上の公立学校の教職員とその家族が対象者。

http://www.calstrs.com/

http://www.calstrs.com/news-release/calstrs-takes-action-divest-all-non-us-thermal-coal-holdings