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モーニングスター、ESG評価会社のSustainalyticsの株40%を取得。役員も派遣。金融関連大手とESG評価・調査会社の連携相次ぐ(RIEF)

2017-07-25 14:40:02

morninstarキャプチャ

 

   投資信託の評価会社、モーニングスター(Morningstar)は、ESGの評価会社であるSustainalyticsの株を40%取得、役員も派遣すると発表した。ESG関連企業をめぐっては、主要金融関連機関等が傘下に収める動きが広がっている。

 

 両者はすでに2015年8月に戦略的協力関係を締結しており、昨年3月にはその協力関係に基づき、投資信託、上場投資信託(ETF)を対象とした格付事業として「Morningstar Sustainability Rating」を立ち上げるなどの関係にある。今回のモーニングスターの出資額については公表されていない。

 

 ESG関連の調査、評価会社を主要金融関連機関が傘下に置く動きとしては、昨年、格付会社S&Pが英ESG調査会社Trucostを買収して表面化した。 今年に入って、議決権行使助言会社のISSがSouth Poleの i気候変動投資データ助言部門を買収しており、モーニングスターの動きはこれらに次ぐ。

 

 モーニングスターは今年第二四半期決算発表において、「今回の投資は、モーニングスターの長期サステナビリティ戦略にとって極めて重要。SustainalyticsのESG評価能力とサービスをグローバル投資市場で展開することを支援していきたい」と述べている。

 

 出資に合わせてモーニングスターから送り込まれる役員は、モーニングスターのサステナビリティ部門の責任者を務める Steven Smit氏。 Sustainalyticsの現経営陣はマイノリティ株を保有する。

 

 両者が昨年立ち上げた「Morningstar Sustainability Rating」は、これまでに35,000以上の投信とETFを格付しており、その作業に当たってはSustainalyticsの調査が役立っている。さらにモーニングスターはこれらの格付に基づいて、 Global Sustainability Index シリーズを公表している。

 

 Sustainalyticsは、カナダ・トロントを本拠にするJantzi Researchをベースとし、オランダのSustainalyticsを統合してグローバル活動に力を入れ、現在は、日本を含め世界13か国にオフィスを展開している。約300人のスタッフを抱える。同社にとっては、モーニングスターの資本を受け入れることで、調査力を強化するとともに、グローバル営業力を高めることができる。


 SustainalyticsのCEO、Michael Jantzi氏は「これまで2年間のモーニングスターとの協力関係で、われわれのESG 調査力は強化された。特に資産運用事業者との協働によってESG要素を投資プロセスに組み込む流れを強化できている」と、協力の成果を強調している。

 

http://www.morningstar.com/

http://www.sustainalytics.com/