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米銀最大手JPモルガン・チェース 全米の支店4500店をすべてLED化、屋根には太陽光パネルを設置。GEとパートナーシップで推進。クリーンエネ投融資額は2000億㌦規模に拡大(RIEF)

2017-08-01 07:00:08

JPMorganキャプチャ

 

 米銀最大手のJPモルガン・チェースは、2020年までにビジネス活動からのCO2排出量を50%削減(2005年比)とする目標を掲げた。目標達成に向け、支店などの屋根に太陽光パネルを導入するほか、4500の支店の照明をLED化するなど「銀行ぐるみのクリーンエネルギー化」に乗り出す。また2025年までにクリーンエネルギー投資等へのファイナンスを2000億㌦(約22兆円)実施する。

 

 今回のクリーンエネルギー化は、GEとのパートナーシップで推進する。「目玉」となる使用電力の再生エネルギーへの切り替えでは、自前で電力を確保する方法と、再エネ業者からの買電の両方の対策をとる。まず、自前発電では、グループが全米等に展開する支店のうち1400以上と、世界60か国で展開する5500の保有不動産のうちの約40の商業ビルの屋上などに、太陽光発電設備を導入する。

 

 JPモルガンによると、オハイオ州のコロンバスにある同社の法人向けセンターだけで、20MWの発電能力を確保するほか、テキサス州の保有ビルでも7MWの発電能力を持てる見通し。支店の屋根への太陽光パネル設置は、個人顧客やコミュニティへのアピールにもなる。

 

 支店やオフィスの省エネにも力を入れる。すでにGEの協力で、これまでに2500の支店にLED照明を導入している。これを4500店全部に拡大する。1社にこれだけの規模のLEDを導入するのは世界でも例がないという。LED化により、支店の光熱費は15%削減され、水使用量も20%削減が期待される。

 

 エネルギー効率化によるCO2削減量は、2万7000台の車の排ガスをゼロにするのと同等の効果をもたらす。また、従業員がビジネスで使用する航空機の排出量(Scope3)についても100%削減をする。

 

 再エネ電力の外部からの購入については、昨年11月に、再エネ大手のNRG Energyがテキサス州に持つ風力発電子会社との間で、20年間の売電契約を結んでいる。今年中に売電が始まる。実際には再エネ電力の購入量は最終的に、JPモルガンが使用する全電力の75%を占めるという。

 

 「クリーンエネルギーの銀行」というブランドが、銀行の競争力にも活用されそうだ。

 

https://www.jpmorganchase.com/corporate/news/stories/current-ge-jpmc-collaboration.htm