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メキシコの開発銀行Nafin、同国初のソーシャルボンド発行。女性起業家支援や低所得層の住宅省エネリフォーム等に資金を充当。国連SDGsの目標に沿ったファイナンスへ(RIEF)

2017-08-16 08:00:34

Nafinキャプチャ

 

 メキシコの国営開発銀行のNacional Financiera (Nafin) が同国初のソーシャルボンドを発行した。発行額は40億メキシコペソ(約2億2000万㌦)で、資金使途は零細企業や女性起業家支援のファイナンス、持続可能性を高める住宅改善など、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に沿った事業に振り向ける。投資家の人気が殺到し、当初発行額より3倍増とした。

 

 投資家の大半はメキシコ国内の年金基金や保険会社、投資ファンドなど79機関。販売開始から18分で完売した。応募が殺到し、当初販売目標の6倍にもなったことから、発行額を増額したが、それでも応札希望額は発行額の3倍を超えたという。

 

 Nafin によると、今回の応募は一つの募集案件としては、同国の資本市場全体の歴史でも、最高の応札規模となったという。投資家が殺到した理由は、ボンドの発行価格の魅力が大きかったようだ。変動金利で、ベンチマークとなっている28日物インターバンク市場の平均金利(TIIE)より2ベーシスポイント低いだけ。当初金利は7.35%の見込み。

 

 HSBC とメキシコのプライベート銀行、Banamex が共同主幹事を務めた。ボンドの償還期間5年、Moody’sやS&Pなどの格付機関はそろって最高評価のAAA格を付与した。セカンドオピニオンはESG評価会社のSustainalyticsが付与した。

 

 Sustainalyticsによると、資金使途は国連の持続可能な開発目標(SDGs)に合致しているうえ、6月に公表されたソーシャルボンド原則(SBP)にも適合していると評価している。ボンドはメキシコ証券取引所に上場される。

 

 資金使途となる、零細企業やマイクロ企業あるいは個人事業主向け資金提供のうち79%は、女性の起業家支援を目指す。NAfin自らの資金仲介ネットワークを経由してファイナンスする。また持続可能性を高める住宅改善では、最低賃金水準から5倍までの低所得層を対象とし、既存住宅の省エネリフォームによるエネルギー効率の向上を進める。この住宅省エネリフォーム事業は、メキシコの国家住宅委員会(CONAVI)、同エネルギー効率化トラスト(FIDE)との共同事業として推進する。

 

 Nafinは2015年11月にメキシコ初のグリーンボンドを5億㌦発行した後、昨年9月にも20億メキシコペソ建てのグリーンボンドを発行している。

 

http://www.nafin.com/portalnf/content/productos-y-servicios/programas-empresariales/