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英グリーンインベストメントバンクの民営化。本体は豪マッコーリーグループに売却の一方で、バイオマス・廃棄物発電関連資産は、バイオマス投資専門の英BIGに分離売却(RIEF)

2017-08-23 17:09:20

HullEnergyworks2キャプチャ

 

 英国のグリーンインベストメントバンク(GIB)が豪マッコーリー銀行グループへの売却が決まったが、GIBが開発したバイオマス発電と廃棄物発電関連の資産は、英国の再エネ投資グループの傘下にあるバイオマス投資企業の「Bioenergy Infrastructure Group (BIG) 」に分離売却されたことがわかった。売却額は明らかにされていない。またマッコーリーグループの傘下に入ったGIBは名称を「Green Investment Group:GIG」と変更した。http://rief-jp.org/ct6/72070

 

写真は、英国の廃棄物回収発電サイト)

 

 BIGは、英国で再エネ・インフラ投資とプライベート・エクイティを手掛けるForesight Groupの傘下にある。ForesightはこれまでもGIBの投資資産を管理する業務を展開しており、保有資産はGIB分を含めて26億ポンド(約3600億円)に達する。このほか公的年金やインフラ投資機関などからの投資資産も管理している。

 

 今回、BIGに売却された旧GIBの資産は、Foresightがこれまで管理してきたGIB資産の一部。4つのバイオマス事業と廃棄物発電、さらに下水道処理などに使われる15の嫌気性消化プラント、資源回収装置など。購入金額は公表されていない。GIB資産の追加でBIGの保有資産は建設中の設備を合わせて約100MWになる。

 

 BIGはこれらのGIBからの再エネ発電関連資産に加えて、今後5年間に追加投資を重ね、同社の発電量を200MWに倍増させる計画だとしている。特に今後2年の間に、追加投資を行い、英国内の多様な地域でバイオマス関連投資を増やすとしている。

 

 BIGのCEOのHamish McPherson氏は、旧GIBとの交渉は1年以上前から続けていたことを明らかにしている。BIGへの売却分はマッコーリーグループへの売却とは別なので、英政府が得る売却金額はマッコーリーからの23億ポンドにさらに上乗せされることになる。

 

 BIGは2015年にForesight Groupの傘下で設立された。設立に際してはForesigthのほか、英インフラ企業の Helios、Infracapitalなども出資、バイオマスや廃棄物発電にビジネスを絞った投資展開を進めている。主な投資先には英国イングランド東海岸のハルや北西部のチェシシャーでの廃棄物回収発電等を抱えている。

 

 マッコーリーグループは旧GIBの買収によって、今後3年間で新たに30億㌦を再エネ事業に投資するとの方針を打ち出しているが、バイオマス関連は対象外になるとみられる。GIGへの名称変更は、マッコーリーグループの今後の投資戦略として、銀行業務にこだわらない姿勢を示したようだ。

 

http://www.foresightgroup.eu/institutional/our-business/infrastructure/bioenergy-infrastructure-group/