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英バークレイズ証券、日本でグリーン・プロジェクトボンドを初組成。京都の太陽光発電事業を証券化。45億7000万円調達(RIEF)

2017-08-29 15:49:25

Barclaysキャプチャ

 

 英 バークレイズ証券は、京都府での太陽光発電事業などを対象とした46億7000万円のプロジェクトボンドを組成、生保などの機関投資家向けに販売した、と発表した。同ボンドはグリーンボンドの一種とみなされている。国内の太陽光発電事業を対象とした私募型のグリーン・プロジェクトボンドの組成は、これまで米系のゴールドマンサックス証券が複数件を仕上げており、英系のバークレイズの参入はそれに次ぐ。

 

 対象となる太陽光発電事業は、再生可能エネルギー総合事業を手掛けるリニューアブル・ジャパンがスポンサーとなって、京都府南丹市八木町周辺で開発を予定する太陽光発電事業。発電容量は14.5kW、固定価格買い取り制度(FIT)での買い取り価格はkW当たり32円。全量、関西電力に売電する。

 

 同事業へのプロジェクトファイナンスローンを裏付けとして、信託受益権とABLを発行する。信託受益間が37億円、ABLが9億7000万円。受託金融機関は、日立キャピタル信託。同社がリニューアブルが設立する事業会社の合同会社に融資する。日立キャピタルは元利金を半年後とに投資家に支払う。

 

 発行する受益権とABLは機関投資家に相対で売買する私募形式をとる。償還期間は2040年までの23年間となるが、期間中に順次、繰り上げて返済していく仕組みとする。受益権、ABLとも格付投資情報センター(R&I)からBBBの信用格付けを得ている。

 

 これまで国内で、特定の太陽光事業を対象としたグリーン・プロジェクトボンドの組成は、ゴールドマンサックス証券が10件前後を発行、同社の独断場となっていた。バークレイズグループは、グローバルなグリーンボンド市場においては、上位の引き受け金融機関として知られているが、日本市場でグリーン・プロジェクトボンドを単独組成したのは今回が初めて。

 

 事業主のリニューアブル・ジャパンにとっては、事業資金を早期に回収して次の投資に振り向けることができる一方、ボンドを購入した機関投資家にとっては、売電収入が安定している再エネ事業から長期的に収益を得る投資対象を確保できることになる。金利水準などは開示していない。

 

 バークレイズ証券の木曽健太郎社長は「世界的にESG投資への機運が高まる中で、今回、事業者と投資家の両ニーズを結びつけ、国内の再エネの普及促進に貢献できる」と評価している。

 

http://www.barclays.co.jp/news/press-releases/2017/28-aug.html

https://www.r-i.co.jp/news_release_sf/2017/08/news_release_sf_20170825_13004_14332_1_F_jpn.pdf