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グリーンバンクネットワーク(GIB)グリーン事業への資金誘導総額290億㌦(約3兆円)に達する。民営化後の英グリーンインベストグループも引き続き「市場メンバー」で残留へ(RIEF)

2017-09-25 21:43:28

GBN2キャプチャ

 

 2015年のパリ協定成立を機に結成された各国の公的グリーンバンクの連合体、The Green Bank Network (GBN)は、民間資金の誘導分を含めて290億㌦(約3兆2000億円)の資金をグリーン事業に供給できた、と公表した。また英国のグリーンインベストメントバンク(GIB)の民営化を踏まえ、新たに民間の「市場メンバー」の参加資格を承認、民営化後のグリーンインベストメントグループ(GIG)が最初の市場メンバーとなった。

 

 先ごろ、GBNが米NYで開いた第5回年次会合で明らかにされた。会議は米国のニューヨーク州とコネチカット州がそれぞれ設立しているグリーンバンクが共同主催した。

 

 GBNには米国の2つのグリーンバンクのほか、日本の環境省グリーンファンド(地域低炭素投資促進ファンド)、オーストラリア・クリーンエネルギー金融公社、マレーシア・グリーンテクノロジー公社、英GIGで構成する。また環境NGOの Natural Resource Defense Council (NRDC) と Coalition for Green Capital (CGC)も参加している。

 

 GBNの報告によると、GIBを含めた6つの創立メンバー機関によるグリーン事業への直接の投融資額は2016年末までで79億㌦、民間からの誘導資金を合わせると259億㌦と、レバレッジ比率は2.25倍となっている。直近の投融資総額が290億㌦まで伸びたという。投融資の78.5%は太陽光、風力などの再生可能エネルギー事業向け、18.8%が省エネ事業、その他となっている。年間のCO2削減量は1200万㌧。

 

 GBNにとって、45億㌦の投融資力を誇っていた英GIBの民営化は最大の課題でもあった。公的なグリーン投融資機関を今後も拡大していくのか、あるいはGIBのように、一定の役割を果たしたとして民間にバトンを渡していくのか、の判断をGBN自体も問われた格好でもある。

 

GBN1キャプチャ

 

 ただ、レバレッジ率が2.25倍というデータが示すように、公的な信用力が民間資金を誘導する力となっていることは間違いない。再エネ・省エネのグリーン事業はともに、各国の制度・政策の動向に左右されることから、民間金融機関の資金を誘導する公的グリーンバンクの意義は大きいというのが、今回の会合の結論のようだ。

 

 民営化されたGIGを引き続きメンバーとして維持するのも、官民連携の一つの象徴野意味もあるようだ。今後は、新たに設けた「市場メンバー」に、グリーン投融資に力を入れる民間の金融機関の参加の可能性も出て来そうだ。 GBNは2019年までにグリーン事業に400億㌦の官民資金を投融資することを目標に掲げている。

http://greenbanknetwork.org/