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世界初のグリーン金融商品上場市場、ルクセンブルクのグリーン証券取引所(LGX)。設立1年で上場商品135本、時価総額630億ユーロ(約8兆3800億円)に成長(RIEF)

2017-09-28 23:04:42

LGX6キャプチャ

 

  昨年9月、ルクセンブルク証券取引所(LuSE)が世界で初めてグリーン金融商品専用の上場市場として設立した「ルクセンブルク・グリーン証券取引所(LGX)」に、1年間で135本の債券が上場され、時価総額630億ユーロ(約8兆3800億円)に達したことが分かった。

 

  LuSEのサステナブルファイナンス部門のトップであるJane Wilkinson氏は「われわれが予想していたよりはるかに多い。LuSEの一般市場の伸びを大きく上回っている」と手応えの大きさを評価している。

 

 上場135本のうち、大半の119本がグリーンボンド、13本がソーシャルボンド、3本がサステナビリティボンド。上場サステナビリティボンドには日本政策投資銀行のボンドが含まれている。

 

 時価総額630億ユーロはLUSEの時価総額全体の1%に相当する。グローバル市場のグリーンボンド発行は昨年、950億㌦(LuSE調べ)だった。LGXへの上場は、この1年間の発行分だけでなく、世界銀行の2010年発行分など、取引量の多い既存の発行分も多く上場されている。

 

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 グリーンボンドについては国際的な自主基準であるグリーンボンド原則(GBP)への適合が信頼性を担保する形となっている。LGXはGBPを尊重するとともに、独自に上場の事前と事後に、発行体からフルドキュメントの提出を求めて審査する厳格なスタイルをとっている。このため、この1年間の発行分でもLGXの厳格な上場基準に適合せず、上場出来なかったボンドが少なくないという。

 

 グリーンボンドの発行は今年も伸びており、年間の発行額は昨年を4割~5割増の130 億㌦前後に増えそうとの見込みが出ている。Wilkinson氏は強気に140億㌦台の予想をしている。またLGXには、民間発行体だけでなく、各国の財務当局などからの相談も増えているという。

https://www.bourse.lu/social-bonds