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「S&P Dow Jones Indices」提供インデックスの保有カーボン量を測定して開示へ。投資先企業、投資家の双方の気候変動リスク情報への関心の高まりを反映(RIEF)

2017-11-01 21:17:54

S&Pキャプチャ

 

 株式インデックス機関の S&P Dow Jones Indices (S&PDJI) は、温暖化ガス排出量に伴うリスクへの投資家の関心が高まってきたことを受けて、提供する株価インデックスに適用する主なカーボン計測データを投資家が容易に理解できるよう開示した。

 

 今回開示したのは、インデックスごとの保有CO2量が容易にわかるようにしたもので、計算するカーボン量は、①カーボンフットプリント(インデックス中の投資額100万㌦当たりのCO2排出量)②カーボン効率性(投資先企業の収入100万㌦当たりのCO2排出量)③化石燃料在庫(投資額100万㌦当たり、化石燃料在庫の確定分、想定分の両方を焼却した場合に発生するとみられるCO2排出量)–の3種類から算出する。

 

 いずれのデータの算出についても、同社の子会社であるESG評価会社のTrucostの評価・計測データを踏まえている。Trucostは、S&Pが2016年10月に買収した。今回説明した3種類の計測データ以外についても、今後、追加していくとしている。

 

 S&PDJIのESG指標・戦略担当シニアディレクターのHannah Skeates氏は「ESG投資の世界では急速にカーボン排出量への関心が高まっている。市場参加者は自らによるカーボン排出量の影響を理解すると、それらの排出リスクや潜在リスクを制御するための解決法を見出すことができるようになる」と説明している。

 

S&P3キャプチャ

 

 計測データはインデックスの構成銘柄の変動を反映する形で、毎月再計算されて開示される。投資先となる企業や投資家の双方は、気候変動リスクの情報を測定し開示を求める市場の圧力の高まりにさらされている。S&PDJIでは、今年7月のG20で報告された金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の勧告や、フランスが企業にESG情報の開示を法制化したArticle173などの流れが、市場の圧力を高める要因にもなっている、と分析している。

 

 

 こうしたカーボン計測データをS&Pのベンチマークである S&P500に当てはめると、9月30日時点では構成銘柄全体のCO2排出量は87㌧に相当するという。同じように、S&P500の「Fossil-Fuel Free index」のCO2排出量は72㌧、「Carbon Efficient Index」は63㌧、「S&PDJI Fossil Fuel Free Carbon Efficient Select index」になると37㌧と、S&P500の半分以下になる。

 

 http://www.spindices.com/documents/index-news-and-announcements/20171030-press-release-sp-dow-jones-indices-carbon-metrics.pdf