世界最大の資産運用会社BlackRock、気候変動の影響の大きい投資先企業に対し、TCFD勧告に沿う気候関連財務情報の開示を求めるレター送付。投資判断変更も(RIEF)
2017-12-15 14:26:10
BlackRockは、TCFDの委員にも専門家を派遣して、報告の取りまとめに力を入れてきた。またTCFD勧告を自らの事業報告等に採用することを公表した237社の宣言企業にも名乗りをあげている。今回の投資先に対するTCFD勧告に沿った気候関連財務情報の開示要求は、こうしたこれまでの取り組みを、自社の資産運用活動に反映させたものといえる。
レターにおいて、TCFDの勧告を「TCFDのフレームワークは、われわれ投資家にとって、投資先の情報の比較可能性と整合性を明確にする有益な手段」と位置付けているという。
すでにBlackRockは、今年のOccidental Petroleum CorpやExxon Mobil Corpなどの主要各社の株主総会において、気候変動関連の情報についてより詳細な開示を求める提案をしている。年初にはCEOのLarry Fink氏が、「投資先が抱える環境、社会面での長期リスクに対して、われわれは無限の忍耐を持つわけではない」と婉曲的に、これら非財務リスクの軽減を求める声明を出している。