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2017年のグローバル市場でのグリーンボンド発行額、過去最高の1200億㌦に。前年比47.3%増と好調に推移。日本勢の発行額は約2700億円分(RIEF)

2017-12-30 00:50:54

CBI2キャプチャ

 

 2017年のグローバル市場でのグリーンボンド発行額が前年比47.3%増の1202億㌦と、過去最大の発行額を記録した。

 

このうち日本の企業、金融機関関係による発行は7本、約2670億円で、全体の約2%だった。

 

 英非営利団体のClimate Bonds Initiative(CBI)がまとめた。発行日が年を越すもの等の調整を残しており、多少変動する可能性もある。CBIは中国政府・中央銀行のガイドラインでクリーンコールを資金使途先とするのはグリーンボンドとして認定していない。これらの総額は102億㌦で、これも加えると奏楽は1304億㌦となる。

 

 年間を通して、特徴的だったのは、フランス財務省が二度目のグリーンボンド国債(10億6500万ユーロ)を発行したほか、フィジー共和国もグリーンボンド国債を発行した。パリ協定の発効を受けて、途上国でも温暖化対策の資金調達のためにグリーンボンド国債を発行する事例が今後増えるとみられる。ナイジェリアは2018年中の国内市場整備を目指している。

 

GBキャプチャ

 

 国別では、中国、フランス等の発行が目立った。日本勢では、トヨタが今年もABS型のグリーンボンドを発行したが、今年は初めてユーロ建てで欧州市場での資金調達を目的とした。東京都は個人向けを含めて200億円分を発行したが、CBIでは公募債の100億円分だけカウントした。

 

 金融機関では、みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループがそれぞれ5億ユーロ分を発行した。昨年、グリーンボンドを発行した三菱UFJフィナンシャル・グループは、2018年の前半に発行するとみられている。

 

 このほか、戸田建設、日立キャピタルの香港子会社などが発行した。環境省の国内向けガイドラインに準拠した独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の200億円分のグリーンボンドも一応、カウントされたが、CBIではグローバル基準に適合しているかどうかを今後、チェックする方向という。