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スイスの金融市場監視機関(FINMA)、ロシアのガスプロム銀行(スイス)をパナマ文書関連の反マネーロンダリング規定違反で処罰。新規個人顧客受け入れ禁止(RIEF)

2018-02-06 16:40:13

Gasbrombankキャプチャ

 

 スイスの金融規制当局の金融市場監視機関(FINMA)は、ロシアのガスプロム傘下でスイスに拠点を置くガスプロムバンク・スイスを、パナマ文書の公開で発覚したマネーロンダリング調査の一環で、同行に対して、新規の個人顧客の受け入れを禁じる措置を講じたと発表した。

 

 FINMAは2016年にパナマ文書が発覚後、30の金融機関を公開調査の対象とし、そのうち約20機関をしている。FINMAによると、ガスプロムバンク・スイスは2006年から2016年にかけての間、反マネーロンダリング規定に重大な違反を重ねていた、と指摘している。具体的な違反事実について明言していない。ただ、新規顧客を受け入れる際、適格な経済的評価をせずに口座開設してきた、としている。

 

 疑惑のあった口座等についての詳細な情報は開示していない。FINMAはさらに、同銀行が問題口座の取引記録や関係について適格に記帳せず、入手した書類についての確認をしないケースもあったと指摘している。今回、疑惑が指摘された取引の大半は、2009年以前の同銀行の前身のロシア商業銀行(Russian Commercial Bank Ltd)時代のものとされる。

 

 FINMAはガスプロムバンク・スイスに対して新規の個人顧客を受け入れることを禁じるだけでなく、銀行内に新たなリスク委員会を立ち上げて、内部を精査することを求めたという。FINMAはこの委員会が適切に稼動するかどうかを、定期的にモニタリングするとしている。

 

 ガスプロムバンクは、ロシアのエネルギー大手ガスプロムの傘下で、1990年に設立された。本拠はロシア・モスクワだが、今回、摘発されたスイスのほか、ルクセンブルク、べラルースに子会社を持つ。またカザフスタン、中国、モンゴル、インドにも拠点を置く。総資産5兆4146億ルーブル、純利益329億ルーブル(2017年9月末時点) 、取引企業は4万5000社、個人顧客は400万人としている。

http://www.gazprombank.ru/eng/

http://www.fcpablog.com/blog/2018/2/2/swiss-regulator-sanctions-gazprombank-switzerland-for-seriou.html