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ベルギーがグリーンボンド国債発行。6か国目。45億ユーロ(5900億円)、投資家の買い需要強く、2.5倍の応募超。輸送、農業、建設、廃棄物等へのファイナンス中心(RIEF)

2018-02-27 10:54:08

Belgiumキャプチャ

 

   ベルギーの初のグリーンボンド国債(OLO)の発行条件が決まった。発行額は45億ユーロ(約5900億円)。期間15年。先進国でのグリーンボンド国債発行は、ポーランド、フランスに次ぐ3か国目。途上国を含めと6か国目となる。投資家の買い需要が強く、発行額に対して2.5倍の応募超となった。

 

写真は、ベルギーの財務相、Johan van Overtveld氏)

 

 今月初めに「ベルギー国債機関(BDA)」が発行方針を決めた際の発行予定額は30億ユーロだった。だが、応募の増加で発行額を増やした。クーポンレートは1.25%、利回り価格は当初はmid-swaps rate を11bps下回る予定だったが、14bps下回るレートとなった。償還期限は2033年4月22日。

 

 引き受け主幹事は、英Barclays、仏 BNP Paribas、 Credit Agricole、オランダING、米JP Morganがそれぞれ務める。セカンドオピニオンはSustainalytics社 。国債の信用格付は、Moody’sがAa3、S&PがAA、FitchがAA-をそれぞれ付けた。

 

 調達資金の使途先は、①グリーンビルディングへの投資等、省エネ分野②電気自動車の基盤整備などクリーン運輸部門③再エネルギー100%化を目指す再エネ事業④廃棄物削減・リサイクルを進める循環型経済化⑤途上国の温暖化対策資金、などに充当する予定。

 

 グリーンボンド国債の使途先は、EUの排出権取引制度(EU-ETS)の対象となっていない輸送、農業、建設、廃棄物等の分野でのCO2削減を促進することを中心としている。同国の計画では、これらの分野からのCO2排出量を2020年には15%削減(2005年比)する予定。また再エネ比率は同年までに全エネルギーの13%に引き上げる計画だ。

 

 ベルギー以外のグリーンボンド国債の発行国は、ポーランド、フランス、フィジー、ナイジェリア、インドネシアの各国。膨大な国債残高を抱える中で温暖化対策を推進しなければならない日本の財務省も、これらの「グリーンボンド国債クラブ」の面々に追随してもらいたい。

https://www.sustainalytics.com/wp-content/uploads/2018/02/The-Kingdom-of-Belgium-Green-Bond-Framework_Second-Opinion-by-Sustainalytics_Final.pdf