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第一生命、欧州復興開発銀行(EBRD)発行の初の「ヘルスボンド」約100億円分を全額引き受け。欧州、アジア、アフリカでの医療施設整備などに充当(RIEF)

2018-03-15 23:03:58

daiichi1キャプチャ

 

 第一生命保険は、欧州復興開発銀行(EBRD)が医療サービス向上などに資金を振り向ける初の「ヘルス・ボンド」を全額引き受けた。ポーランドズロチ建て3億1700万PLN(約100億円)分。ヘルスボンドはソーシャルボンドの一種で、国際資本市場協会(ICMA)が制定するソーシャルボンド原則(SBP)に適合する。

 
 EBRD は各地域での医療サービスの向上を優先課題の一つとして活動しており、各地で医療機関への支援等を行っている。たとえば、2013 年 11 月にモンテネグロ・コドラの私立病院に対し産科病棟建設等の支援を行ったほか、2017 年にはトルコ・アダナにおける官民共同の大規模病院建設プログラムへの支援した。今回調達した資金も、医療施設の建設・拡充や医薬品へのアクセス改善等に対する融資に充当する予定。

 

 発行したボンドは10年債でクーポンレートは3.01%。ルクセンブルグ証券取引所のグリーン証券取引所(LGX)に上場される。引き受け主幹事はシティグループ証券。調達資金は、アジア、欧州、アフリカでEBRDが展開する対象事業に充当される。

 

EBRDキャプチャ

 

 EBRDは2010年以来、グリーンボンドやマイクロファイナンスボンドなどを発行し、社会的責任投資を重視する機関投資家等へ提供している。 EBRDのグリーンボンドやテーマ別ボンドは、いずれもICMAのグリーンボンド原則(GBP)やSBPに適合している。EBRDはICMAのGBPの理事会メンバーでもある。

 

 EBRDの副財務局長兼資金調達担当のIsabelle Laurent氏は「われわれにとって初のSBP適合のヘルスボンドである。調達資金は、EBRDが提供する健康サービスや、われわれが投資している医薬品への人々のアクセスと品質を改善するための主要なプロジェクトに活用される。EBRDはすべての投資について環境と社会影響の評価を行うが、今回のようなテーマ・ボンドは、目指す特定の環境・社会ゴールに直接届けるための事業を支援する」と説明している。

 

 EBRDは国際公的金融機関として、各格付会社からAAAの評価を得ている。2017年中の調達資金は92億ユーロ(約1200億円)を市場から調達している。

 

 第一生命は「本債券への投資を通じて安定収益を確保するとともに、医療サービス向上に向けた EBRD の取組を資金面からサポートし、その進捗状況等を継続的にフォローしていく」と述べている。

 

http://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2017_078.pdf

http://www.ebrd.com/news/2018/ebrd-launches-health-bond.html